江陵駅でレンタカーを返却した翌朝、先ずは東海線を南下します。
東海線(江陵→東海)
この日の第1レグは東海線。
江陵駅
朝の江陵駅。平昌五輪の屋内競技が行われたのはここ江陵(강릉/カンヌン)でした。
江陵8:36発→東海9:19着のヌリロ号に乗ります。
途中停車駅は正東津と墨湖の2つのみ。路線図上ではあと4駅あるものの事実上廃駅となっています。
終点の北側はコンクリートの壁。日本統治時代には北に向かう路線計画がありました。
向かいのホームで出発を待つソウル行きKTXイウム号。
入れ替え用?のディーゼル機関車。
ヌリロ・200000系電車
日立製の200000系電車。導入後一度も再塗装されていないのか、外装の傷みが目につくようになってきました。
草臥れた外装に対し、車内はまずまず綺麗に維持されているのが救いです。
壁側のコンセント。韓国のプラグはCタイプより丸ピンが太いSEタイプです。
江陵を出発
出発すると程なくして車窓に海が広がります。鉄条網が巻かれたフェンスは北朝鮮工作員の侵入を防止するためのもの。途中には監視塔もあったりして韓国が今も法的には準戦時下にあることを再認識します。
同じルートをレンタカーで走った際、国道沿いに展示されていた北朝鮮の潜水艇。
閑話休題、美しい海岸線に沿って列車は南下します。
「世界一海岸に近い駅」・・・正東津駅
一つ目の停車駅は正東津(정동진/チョンドンジン)。
ここは「海に一番近い駅」としてギネスブックにも登録されたということで観光地にもなっています。この旅ではレンタカーでも訪れました。
確かに海まですぐのロケーションではあるものの、もっと海に近い駅が日本にもあるような気が... Wikiで調べてみました。
”当駅は海岸沿いにあり、「世界一海岸に近い駅」としてギネス世界記録に登録されている。しかしこれは申請に基づくもので、日本の釧網本線にある北浜駅や信越本線の青海川駅、韓国の墨湖港線にある墨湖港駅よりは海岸から離れている。一方、旅客駅であること、駅から出ずに直接海に出られることを考慮すれば正東津駅が「世界一海岸に近い駅」であるといえる。”(Wikipediaより)
イマイチ腑に落ちない解説ですがそれはともかく、実に風光明媚な駅です。
また、数々のドラマや映画の撮影地にもなり、特に左の”砂時計”(모레시계)は当時放送時間になると街から人が居なくなると言われるほどのヒット作だった由(カミサン談)。
駅前には食堂が数軒と、ゲストハウスやカフェもありました。
乗客以外がホームに入るには入場券(千ウォン)を購入します。
1960年代の正東津駅。
本線より更に海側は旧線を再活用したレールバイクになっており、暖かいシーズンともなると観光客で賑わう...と思いきや...
氷点下の海風をものともせずペダルカーに興じる観光客がキコキコと通過。恐るべし。
観光列車の往来もありました。
駅に跨線橋は無く、列車が通る度に駅員が安全確認します。
客船を模したSun Cruiseというホテル。韓国でも珍建築として有名です。
この路線に特化した「海列車」。シートが海側に向いて配置されています。
海岸沿いを南へ
セメントのプラントや石油備蓄施設なども点在する海沿いを南下します。
墨湖(목호/モッコ)駅。始発の江陵を出た時点で車内の乗客は私を含めて3名だけ。そして他の2人はここで降りて行きました。
対向列車と離合。
大半の区間を海に沿って走り、列車は終着の東海へ。
東海駅にて
到着後、ホームでゆるゆると写真を撮っていたところ背中に視線を感じ、振り返ると駅員さんが「早く行ってくれよ...」という雰囲気でこちらを見ています。なるほど、この駅も跨線橋が無いので降車客は線路を歩いて渡る構造。駅員は乗客が駅舎に入るのを見届けて出入口を閉めなければならないのでありました。スミマセン。
最後の降車客(私です)が渡るのを待って入れ替え用機関車が通過。
ここから次に乗る列車は11:00発。1時間40分あるので海に向かって歩いてみようとしたものの途中の道はトレーラーやタンクローリーが轟音を立てて爆走する殺風景な産業道路。すごすごと駅前に戻り、コンビニでカップ麺とコーヒーを買ってマッタリと過ごしました。
余談
当駅から3キロ程行くとフェリーターミナルがあり、ウラジオストクや鳥取の境港に向かう日本海航路がコロナ禍前までは運航されていました。
続いては山脈を西に越える嶺東線に乗り継ぎます。
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