コンコルドを見て幸せな気分になった後は屋外展示のトライデント、ニムロッドとAvro RJXを見て回ります。
前回のコンコルド編
トライデント / Hawker Siddeley Trident
各地で大切に保存されているコンコルドよりもある意味貴重な機体かも知れません。Wikipediaによると、イギリスに4機保存されている以外では毛沢東の専用機だったものが中国で展示されているそうですが保存されているのはこれら5機のみでしょうか。
この展示機は1985年に退役後、駐機スペース節約のため主翼を15ft(約4.6m)クロップし、ヒースロー空港で"Tug Training"(機体牽引車の運転訓練)に使われていた。ここマンチェスターには一旦バラして2003年に移送、再組み立てなどを経て2007年から一般公開されている、とあります。
正面から見ると前輪が右側にオフセットしているのがユニーク。操縦席窓の形や切り方も独特です。
トライデントがパイオニアだったリア3発マウントのレイアウト。同様のレイアウトを採用したB727は商業的にも大成功を収めましたがコンセプトはトライデントの方が早かった。BEAが求めた機体サイズが他のエアラインに売り込むには小さ過ぎたのがトライデントの販売不振の原因であり(本当はB727並みのより大柄な機体を目指していたがBEAの要求に合わせてしまった)悲運の機体と言えます。
ヨーロッパ機らしい優美な造形。
上に3発機と書きましたが実はこの展示機は3発エンジンではなく、離陸時の推力補助用の小型エンジンが尾翼付け根に搭載されているタイプなので厳密に言えば4発機ということになります。ジェットエンジンエンジンを縦に二つ並べるのは同じ英国のライトニング戦闘機にも通じるマウント方法であります。
RAFミュージアムのライトニング。
主翼上面は赤く塗られており、機体全体でユニオンジャックを表現しています。
操縦席後ろに "Howker-Siddeley Trident Three, Rolls-Royce by-pass jets"の文字が入っており、ロールス・ロイスがターボファンエンジンのパイオニアという英国の誇りを主張しています。
ニムロッド / Hawker Siddeley (BAE) Nimrod
続いては隣のニムロッドを見てみましょう。
パネル下のDid you know...には「機体重量がアジア象16頭分に匹敵する」「Nimrodとは旧約聖書に登場するHunter(狩人)のこと」「搭載するソフトウェアのコードは6百万行」などの豆知識が書かれています。
正面から見るとコメット旅客機に胴体を追加したことがよく分かります。
ベースになったコメット4、スコットランド航空博物館にて。
主翼と一体化したエンジン。
長く突き出した空中給油のプローブ。ワイパーがゴツいのは低空で飛行する哨戒任務に対応するためでしょうか。
Avro RJX (BAe 146)
BAe (Avro) 146の名前で知られている小型ジェット旅客機。私も欧州域内のフライトで何度か乗ったことがあります。高翼配置+小型機なのにエンジン4発装備というユニークな機体が好きで、これに遭遇すると個人的には嬉しかったりします。
展示機はエンジンや操縦システム近代化プロジェクトのため2001年に製作された試験用の機体で、機内には計測機器が積まれていました。
この機体だけ機内に入れました。


高翼で4発エンジン、まるで軍用輸送機のようです。
余談
BAe 146のエンジン真横席に座ったこともありますが特に騒音が気になることも無く普通に快適でした。コロッとした形のエンジンが愛らしく見えて好きな機体です。


この後はマンチェスター空港のスポッティングポイントで離着陸するヒコーキを少し撮ってホテルに戻りました。