出張で訪れた2012年8月のイギリス。フランクフルト経由でマンチェスターに着陸すると滑走路横にニムロッドとトライデントらしき2機の姿が見えました。
マンチェスター空港 ”Runway Visitor Park”
ホテルに着いてからググってみると"Airport Viewing Park"というランウェイ沿いの公園で、前述の2機だけでなくコンコルドも展示している模様。出張最終日は空港に隣接するラディソンに前泊だったのでチェックインして荷物を置き、ホテルからタクシーで訪れてみました。
タクシーで公園に向かいます。マンチェスターでも車種はロンドンタクシー。
公園到着は既に18時過ぎ。7/30~8/27の間は8:00~21:00がオープン時間とあったのですがそれは公園に入れる時間で、コンコルドホールは既に閉まっていました。
仕方ありません。コンデジをガラスに押し付けて証拠写真を撮ります。
受付に人が見えたので入ってみます。黒人のお姉さん(ハル・ベリー似の美人)に尋ねると、コンコルドホールに入るにはツアーに参加する必要があるが本日はもう終わってしまったとのこと。残念ですが止むを得ません。
肩を落としながら「これからも出張で来る機会があると思うのでまた来ますね。因みにこれは僕が見た6番目のコンコルドなんですよ」と言うと、「他の5機はどこで見たの?」と興味を持ってくれた模様。1996年のヒースローで現役時代のものに遭遇したのに始まり、フランスやドイツで保存機などを見てきたことを話したりして暫し雑談。するとお姉さんが「今日は特別よ」と言ってセキュリティーを解除し、ホールのドアを開けてくれました。ハル姉さんありがとう!
では、有難く拝見しましょう。
マンチェスター空港のコンコルド
立派なハンガーで大切に保存されています。
レジはG-BOACと、まさに英国航空のフラッグシップだった機体。
以下、公式サイトなどにあったG-BOACの情報です。
- 1975年に完成した量産4号機。当初は認証取得やシステムチェック、新航路の検証飛行に使われた。その後は内装を施工後BAに引き渡され、1976年には商業飛行としては初めてアメリカ路線(ワシントンDC)に飛んだコンコルド。
- 主に大西洋路線で活躍し、1985年には対地速度1,488mph(2,394km/h)という民間商業機としては最高速度を記録した。
- 27年間の就役中はエリザベス女王やダイアナ妃も搭乗した。
- 2003年の退役後はヒースローからマンチェスターに飛来して以来ここに展示されているが、レストアプロジェクトがあり近年もエンジンに火が入ったこともある。
厚意で特別に入れてもらったので余り長居するのも憚られます。ざっと一周して写真に納めるだけにしました。既にル・ブルジェやジンスハイムの博物館では機内にも入ってディテール観察もしていたので対面できただけで十分満足です。
何かのイベントに使うのか、段ボールが積み上げられていました。
RR / SNECMA製オリンパスエンジン。
ドアは閉められていました。
マッハ2で飛行すると断熱圧縮で熱を持った機体が全長が約20センチ伸びるため、塗料はデュポンが開発した伸縮性のあるものが使われていると言います。
最後に
その後他の博物館でもコンコルドを見ましたがこのG-BOACは展示のために殺した機能も殆ど無く、また、屋内保管のお陰でコンディションも良いので復活飛行に最も近い機体と言われています。流石に超音速飛行は無理でも、再び空を舞う姿を見てみたいものです。
次回はここマンチェスターのトライデントとニムロッド保存機です。