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【祝・ニコン Z fc発売】改めてFE2を振り返る|MFフィルムカメラも楽しいですぞ

ニコンからレトロテイストのZ fcが登場しました。ニコンも認める通りデザインは往年のMFフィルムカメラ、FM2のオマージュで中々上手く纏まっているように見えます。

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Image: Nikon / www.nikon-image.com

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Image: Nikon / www.nikon-image.com

FE2も忘れないで...

FM2にはFE2という姉妹機がありました。露出計はあるものの設定はマニュアルだったFM2に対し電子制御のFE2は絞り優先AEが可能。いかにもカメラという端正な外観はFM2とほぼ共通。

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さて、何故改めてFE2のことを書くのかと言うと、私が防湿庫に所蔵する1台だからであります。このFE2については、今は亡き「ジオシティーズ」にホームページを持っていた時代に記していましたので、以下、少し加筆訂正の上で改めて貼り付けます。


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私が一眼レフに初めて触れたのは1985年。父親が買ったミノルタα-7000、当時”アルファショック”と言われた最新鋭のAF一眼レフだ。と言っても勿論、私がαを買ってもらった訳では無く、父がその前に使っていたキヤノンAE-1を譲ってもらうことで私のカメラライフは始まった。


その後の私はAE-1で写真の基本はある程度覚えたものの、そのうち興味の対象はバイクやクルマに移り、写真と言えばコンパクトカメラを使う程度になった。


時は進んで2009年、ニコンD50でデジイチの世界に入った私はD300にステップアップし、デジタル一眼ライフを楽しんでいた。そんな時にソウルでカメラ屋が集まる南大門を訪れ、丁度ウォン安だったこともあって中古のMFレンズでも買おうかなとぶらぶら物色していたらFE2が目に留まった。

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ところで、標準レンズと言えば50mmというのが一般的だが、人の視野や記憶、印象なども考えると私は35mmぐらいが標準レンズではないかと勝手に思っていて、35mmをAPS-Cに換算すると24mmが大体それに相当する。そして、ソウルの中古カメラ店の店先で目に留まったのが24mmレンズを付けたFE2だった。

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はじめはレンズを見るために手に取ったものの、FE2のファインダーを覗くとAPS-Cとは別世界の広々した視野、スプリット式のスクリーン、そして指針式の露出計など。懐かしいAE-1の記憶が蘇り、24mmレンズ共々衝動買いしてしまった。そんな経緯で手に入れたFE2だが、使ってみるとMFフィルムカメラとしての完成度が高くて使い易い。


ファインダー内左側のメーターは緑の透明の針がシャッター速度、そして露出計の指針が緑の指針に重なると適正露出を表すようになっている。

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感心したのは絞り値の読み取り。Nikonマークの下にある小窓からレンズ絞りリングに刻印されているF値を直接読み取るようになっている。良くできていると言うか原始的と言うか。ニコンMFカメラを買うのは初めてだったのでちょっとびっくり。

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スプリット式のファインダー。

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フィルム巻き戻しノブダイアルはISO設定や露出補正ダイアルを兼ねるようになっていたりと精密な作りで、「良いもの買ったなぁ」と実感できる。

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それ以外にも、手触りの良い貼革、しっかり墨入れした"Nikon" "FE2"のロゴやシリアルナンバー、美しい銀色の塗装やメッキ類。フィルム巻上げの感触も良く、フィルムカメラを使う悦びを堪能できる。ただ、シャッターは「パチンッ」という感じの甲高く大きな音を立てて少々興醒めだ。

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うちのAE-1は10年以上前にシャッターが不調になりジャンク扱いで処分してしまったが(それでも置いておけばと後悔している)、FE2を手に取りファインダーを覗くとAE-1を使っていた時代の懐かしい気分になる。


記: 2011年4月

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いや~、10年前の私、ウザく アツく書いてますな(汗)。FE2にタイムカプセル感を覚えていたようですが、この文章自体が今となってはタイムカプセル。


その後、パンケーキ45mmも手に入れました。

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今回、 Z fc(Zとfの間にスペース入れるのが面倒だな...)と同時に発表されたDX16-50mmシルバーは、この45mmパンケーキのオマージュでしょうか。

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Photo: www.nikon-image.com

色々と思い出させてくれたZ fcに感謝。業績不振が続く昨今のニコン、これが回復のカンフル剤になることを祈ります。

尚、フルマニュアルのFM2に対し、FE2は露出計が壊れると1/250でしか撮影ができなくなるため中古価格はFE2の方がかなり安くなっています。私は割り切って購入。今のところは問題ありませんが、古いカメラの購入は自己責任で楽しみましょう。