結局記事4本になってしまった済州島・世界自動車博物館の記録。トリは韓国車編であります。
韓国車の足跡
韓国初の量産自動車
左は韓国初の量産自動車とされている시발=シバル、多分漢字は「始発」。米軍払い下げのジープをベースにボディーを架装した模様。展示車はその復元。右は、今は無き新進自動車がトヨタ・パブリカをノックダウン生産したもの。
現代・ポニーとフォード・コーティナ
今や生産台数世界5位に成長した現代自動車グループ。当初はフォード・コーティナをノックダウン生産していました。
現代・ポニー(1975年)
その現代自動車初のウリジナル、もとい、オリジナルモデルがこのポニー。シャーシとエンジンは三菱の技術供与、デザインはジウジアーロによるものでした。
展示車は右ハンドル。豪州仕様でしょうか。ドアミラーは運転席側のみ。
現代・ステラ(1985年)
テスラではなくステラです。前述のコーティナのプラットフォームに現代オリジナルのボディーと三菱のエンジンを載せた構成。ライトがSAE規格なのでUS仕様でしょうか。
それにしても三菱自動車の不甲斐無さは嘆かわしい。現代に基盤技術を持っていかれた挙句、現代-起亜は世界5位。2019年の生産台数で比べると...
- 現代-起亜:772万台
- 三菱:137万台
「敵に塩を送った」と言う以前に、三菱が自滅した気もしますが、何だかねぇ...
大宇・メプシナ(1985年)
車名のローマ字スペルはMaepshy-Naですが、맵시-나という純韓国語。ベースはいすゞ・ジェミニ(更に辿ればオペル・カデット)。大衆車に立派なグリルというのは自家用車が贅沢品だった時代を偲ばせます。
カバー付きの純正フォグランプが泣かせます。
大宇・ローヤルサロン(1981年)
いいねぇ、韓国車らしさ全開のパクリクラウン。朴さん李さんGJ!!
元々はベースになったオペル・レコルトに準じたクリーンなデザインだったのがマイナーチェンジを重ねる毎に厚化粧に。最後は劣化クラウンになりました。
車名をクラウンのRoyal Saloonの丸パクリではなく”Royale Salon”と微妙に変えたところに若干の遠慮を感じます。
こちらはうちの親父が乗っていた”本家”クラウン・ロイヤルサルーン。
エンブレムまでクラウンのパクリ。
亜細亜自動車・FIAT 132
後に起亜に吸収された亜細亜自動車がライセンス生産していたフィアット132。
以上、4回に分けて済州島自動車博物館の展示について書き留めました。それにしても韓国の自動車会社は合従連衡が激しいですね。
世界のピアノ
最後にピアノの展示もいくつか紹介します。
2階スペースの半分以上がピアノ展示に充てられています。
ピアノに関しては全く知識がありませんが素人の私にも見応えある展示でした。
手の込んだ彫刻が施されています。
最後に
欧米や日本では古い大衆車もしっかり保存され、博物館や旧車ミーティングで見ることができるのに対し、韓国で’70~80年代の旧車を見かけることは稀で、自動車博物館も多くありません。そういった点からも有意義な訪問でした。