韓国北部へのドライブ旅行に行った際に乗った現代自動車のソナタについてインプレ的に書き留めます。
現代ソナタ
車格はカムリやアコードと同じDセグメントのFFセダン。長年韓国市場ではベストセラーでした。先代の7代目までは比較的オーソドックスなデザインで韓国のタクシーでは定番車種となっています。
外観
2019年発売の8代目は好き嫌いが分かれる攻めたデザイン。北米市場を意識したものだと思いますが、保守的なデザインが好まれる韓国市場での販売は低迷しています。
オーソドックスなスタイルだった7代目。
サイズは4,900×1,860×1,445mm。
ボルテックスジェネレーターが付いています。
一つ下、Cセグメントのアバンテと並ぶとこんな感じ。
スモールを点けるとモールの一部が光ります。
インテリア・装備
クーペルックなので居住性に皺寄せが?と思いきや、リアの乗降性以外は実用面で特に問題は無く、サイズの割には乗り易い普通のセダンでした。
居住性
レザーシートの質感はまあまあですが、座り心地・ホールド性は上々。
リアのドアは足元が窮屈で頭上もタイト。このためか韓国ではタクシー用として旧型の7代目も継続生産されています。
しかし、乗ってしまえばスペースには不満の無いリアシート。
充分広いトランク。容量はVDA基準で510L。
視界・インパネ
ピラーの配置が適切で見切りが良いのは意外でした。
廉価モデルなので普通の指針式メーター。中級以上のモデルはフル液晶になります。
ラジオの画面がレトロなニキシー管風で洒落ています。
レーンキープと前車追従クルコンも付いていました。
パワートレイン
エンジン
2リッター直4で出力は160PS。上級モデルには1.6リッターで180PSのダウンサイズターボもあります。
ボンネットはつっかえ棒無しで開きます。
トランスミッション
EV時代を見据えて現代はATの開発に見切りをつけたのか、ATはトルコン式の6速。AT自体は変速ショックは皆無な一方でステアリングのパドルでマニュアルシフトするとスパスパと小気味良く変速してくれて洗練されています。ボタン式の操作には5日間乗っても最後まで慣れませんでした。
乗り心地・走り
印象的だったのは穏やかな乗り心地。高速でも荒れた田舎道でも一貫して鋭いショックが遮断されて実に快適でした。特に80~120km/hでのゆったりした乗り味は、ドイツ車的なビシッとした感触とはを好む人には合わなさそうですが、以前当ブログで紹介したシボレー・インパラにも通じる鷹揚さでありました。
高速以外だと中速コーナーが続く山道を走った程度ですが、軽めのパワステは人工的な反力が無くて素直な感触。ただ、穏やかな乗り味は良いのですが「デカいFF」を走らせている感覚はずっとありました。
履いていたタイヤはピレリP Zeroの215/55R17オールシーズン。
アメ車にも通じる快適な乗り心地に対し、エンジンの方は流石に2リッターだと必要最低限のパワー感。非力とは感じなかったものの2.4リッターぐらいは欲しいですね。回り方は4気筒としては緻密感があって好ましいものでした。
余談...4代目”クジラ”クラウン
定番車種が攻めたデザインを採用してコケた例だと日本だとこれではないでしょうか。「スピンドル」や「クジラ」と称される1971年登場の4代目クラウン。今見ると味わい深いデザインであります。

