昨年11月に訪れたイギリスでは主にレンタカーで移動しました。車種はプジョーの308CC、エンジンは1600ccノンターボのMT。AVISのサイトで車種を指定しロンドン・シティ空港で借りました。
ハッチバックをベースにクーペカブリオレ(CC)化した車ですが中々スタイリッシュに纏まっています。フォグランプの周りには最近流行のLEDスモールランプが付いています。
室内の質感は悪くありません。一昔前までフランス車の内装と言えば安っぽいというのが相場でしたが随分立派になったものです。
元々が実用車なので後席もそこそこの広さはあります。しかし、屋根を占めた状態だとルーフというかリアウィンドウに頭が当たるため長時間を大人が3~4人でドライブするのは厳しそうです。
オープン状態だとルーフに頭は当たらないので(オープンなので当然ですが)後席でも窮屈では無さそうですが風がビュービュー当たって後席だと目が痛いことでしょう。
前席はオープン状態でも100km/h程度なら風の巻き込みは少なく快適にドライブできます。また、11月のイギリスは冬の入り口で朝は氷点下まで下がるような寒い日もあったものの、ヒーターは良く効くし風の巻き込みも許容範囲で、雨が降らない限りトップを開けて走りました。
しかし、フロントガラスの角度がかなり寝ていて頭上に近く、トップを開けても解放感は今一つでした。
純正のビルトインナビが付いていて助かりました。お陰で、スマホで何とかするつもりで持って行ったホルダーは使わずに済みました。
また、この写真ではメーター中央の液晶に燃費などを表示していますが、交差点やラウンダバウト(ヨーロッパに良くあるロータリー式交差点)に差し掛かると進む方向をメーター中央に表示してくれるのは助かります。
エンジン、というか、パワートレインは正直なところ誉められたものではありません。借りた車は1600ccのN/Aエンジン(120ps)、オープン化によって100kg分以上も補強した重いボディー(1.6トン弱)を活発に走らせるには完全にアンダーパワー。また、シフトの感触も今一つコクッと決まらない曖昧なフィールでした。
その一方、乗り心地は重厚感があってフラット。オープンカーなのに段差を越えてもブルブルしないボディー剛性には感心しました。しかし、このサイズのオープンカーに期待するような軽快なハンドリングでは無かったのも事実でした。
ヨーロッパで安いレンタカーを借りるとVWやオペル、セアト、シュコダなどの小排気量MTだったりします。そういったモデルは非力なエンジンとMTを駆使して軽いボディーを引っ張る面白さがありますが、今回乗った308CCはいかんせん重い。ヨーロッパのベーシックカーらしい楽しさは味わえませんでした。
ロンドンからスコットランド、コッツウォルズや湖水地方を巡るドライブの良いパートナーだったものの1.6 N/Aエンジンはボディーに対しては力不足。日本仕様は直噴ターボしか導入していないのは正解だと思います。