Museo Lamborghini/ランボルギーニ博物館訪問記・前編で紹介しきれなかった創業期からディアブロまでのオールドランボの写真を載せておきます。
350GT(1963-1967)
ランボ初の量産モデル。エンジンは、フェラーリがまだOHCだった時代(普通の乗用車はOHVも普通だった)、いち早くDOHCを採用していました。
デザイン検討用のスケールモデル(木製)も展示されていました。綺麗にニスまで塗られており、家具職人さんにでも仕上げてもらったのかな。
デザインはガンディー二ではなくカロッツェリア・トゥーリング。最近のアストンに使われている”スーパーレッジェーラ”は元々トゥーリングが開発したボディー製法でした。
美しい曲面のウィンドスクリーン。
ピュアスポーツではなくGTを志向していたこと伺えるインテリア。
ヘッドライトは、プロトタイプの350GTVではリトラクタブルでしたが、量産型の350GTでは個性的と言うか、クセのある楕円形に改められました。
Miura(1966-1972)
展示されていたのは1971年に登場したP400SV。イタ車のカタログスペックなので眉唾ですが、3929ccから385ps(しかも7850rpm!)を絞り出すというハイチューン。低速トルクはどうなっていたのだろう。
SVには特徴的な"睫毛"はありません。
1Fに展示されていたエンジン。
横置きレイアウトがよく分かります。
極太、極厚のリアタイヤ。
敷地内にはミウラの名を冠した通りがありました。
Countach LP400(1973-1990)
展示車はシャーシNo.001のプロトタイプ。窓枠がクロームだったり、インテリアが茶色の革張りだったりと、ややラグジュアリーな印象がステキです。
低い、というより、薄い!
デザインのテーマは「プロペラの”ねじれ”」だったと言います。
なるほど、サイドウィンドウからテールに繋がる面の流れはまさに”ねじれ”です。
広角でテールの迫力を強調してみました。
リアのトランクスペースは意外と実用的だったと言います。
大排気量のV12、やはり冷却には苦労したのでしょう。
デザインのアクセントにもなっているNACAダクト。給油口はこの奥に、しかも左右別々で配置されています。
70年代のスーパーカー少年たちが胸を熱くした透視図。
実車、特にスポイラー類の無い初期のモデルの細部を見ると、意外と繊細で優雅な曲線で構成されていると感じます。
ご存じの方も多いと思いますが、”カウンタック”という発音は日本でしか通じません。カタカナで書くなら”クンタッシュ”が近いかと。受付嬢に”クンタッシュ”ですよね、と確認したところ、逆に「なぜ日本では”カウンタック”なの?」と質問されました。でも、”カウンタック”って、かっこいい響きですよね。
Diablo(1990-2001)
訪れた時は最終モデル(2001年)、ディアブロ 6.0SEが展示されていました。
ガンディー二による原型デザイン。
直立したサイドのラインは、ある程度量産バージョンに受け継がれています。
ジウジアーロ先生もコンペには参加したようです。
まあ、ランボとして”これぢゃない”感がありますね。
圧倒的な存在感。畳のようです。
固定式になってからのライトが、我らが日産Zの流用というのは有名な話です。
Uracco(1970-1980)
素晴らしいコンディションのウラッコをここで見れた私は幸せ者です。
この個体は5マイルバンパーの付いたUS仕様の模様。
サブフレームにマウントされたパワートレインとエキゾースト、リアサス。
かなり左右不等長のドライブシャフト。
意欲的で合理的ながら色々と問題もあったようですが、横置きミッドシップはメリットも多く一世を風靡したレイアウト。現物には機能美すら感じました。
横置きレイアウトで捻り出したスペースで実現したルーミーなキャビン。シートの使用感が素晴らしい。
数マイルなら何とかなりそうなリアシート。911をはじめ、こういった+2というのはシートとしてよりも、脱いだジャケットやブリーフケースを気軽に置いたり、前席をリクラインできたりという、まさに+αのスペースとして根強く支持されています。
1970年代、リアのルーバー流行りましたね。
マジで欲しいと思ったウラッコでした。ボディーカラーも素晴らしい。
Silhouette(1976-1979)
ウラッコのセミオープン(ポルシェ式に言えばタルガトップ)モデルのシルエット。
せっかくのリアシートは潰され、外したルーフの置き場になっています。
シフトレバー横にはuraccoの文字が見えます。
カンパニョーロの5穴ホイールが懐かしい。
Jalpa(1981-1988)
展示の説明を見て思い出しました。映画、ロッキー4で、親友を失ったスタローンが走らせていたのがジャルパでした。
シルエットにそっくりですが、エンジンは3.5Lに拡大されています。
Espada(1968-1978)
エスパーダ。70年代的なエッジの効いたスタイルは”昔の未来”感満点。これも実車を見れて感動でした。
こういった”4人が乗れるエキゾチックカー”というのはジウジアーロ先生が長年取り組んだテーマですが、エスパーダのデザインはガンディー二によるものです。
キャビンもカッコいい。
ゆったりと、とまでは言えなそうながらも、大人でも無理無く座れそうなリアシート。
ディテールもクールです。
Jarama(1970-1978)
ジャラマではなくハラマ。モータースポーツには消極的だったランボが何故かは不明ですが、スペインのハラマ・サーキットに因んだネーミング。
そもそもフェラーリの快適性の低さに不満を抱いていたフェルッチオ・ランボルギーニ一番のお気に入りは、エアコンもしっかり効きハンドリングのバランスも良いハラマだったと言われています。
+2のリアシート。
以上がランボルギーニ博物館訪問の記録です。ミウラやカウンタックは他でも見る機会はありますが、ウラッコやエスパーダなどを間近に見れたのは至福でした。