モデナ駅から徒歩10分程度の街中、エンツォ・フェラーリの生家があった場所に建てられた記念館的なミュージアム。常設の展示物はエンツォに関するものだけでなくエンジンやマセラティやデ・トマソなどの他社に関する展示など、資料価値の高そうなものも充実しています。
やはりこちらでも、急逝したマルキオンネさんへの弔意として半旗が掲げられていました。
エントランスホール
エンツォの父アルフレードが乗っていた1903年のド・ディオン・ブートンの同型車。6歳のエンツォが初めて接した自動車という趣旨で展示されていました。当時モデナで自動車を持っていた人はごく僅かだったそうで、裕福な家庭だったことが伺えます。
1951年に勝利を挙げたF1マシンのエンジンにスーパーチャージャーを追加したものを搭載したパワーボート。最高速度は242km/hに達した由。
ボートでもフェラーリらしい雰囲気ですね。
展示ホールにて
メインの展示ホールです。この時はROSSO & ROSAと題し、女性と関係のあるフェラーリの企画展をやっていましたが、展示車の中には「スイスの富豪で著名なコレクターの○○氏が妻の誕生日に贈った云々」といったものもあり、テーマ設定に少々無理があるんじゃないの?と感じた部分もありました。
250GTO(1962)
訪れた際の目玉展示は250GTOと250LMでした。この250GTOはAnnie de Montaiguという元テニス選手のフランス人女性ドライバーが駆ったものだったそうですが、日本人からすると「誰?」ですね。
それは兎も角、今の感覚では小柄なGTOですが力感溢れるフォルムの存在感には圧倒されます。
超スパルタンなインテリア。
覗き込むとリーフスプリングが見えます。
250LM(1963)
写真では少々歪なフォルムにも見えるのに、実車だと均整が取れた美しさを感じるのが不思議なLM。
昨年デビューした296GTBのデザイン、特にエアインテイクやリアの盛り上がりは250LMのオマージュですね。


166MM(1948)


212 Inter Coupe(1951)


375MM(1953)
750 Monza(1954)
エンジンはV12ではなく直4です。排気量は750cc×4=3000cc。
250GTB SWB(1959)
250GT Cabliolet(1957)
フェラーリ初のオープンボディーのカタログモデル。それまでは顧客の求めに応じて製作するオーダーメイドでした。
助手席側サンバイザーにミラーが付いているところに車のキャラクターを感じます。
330GTC(1966)
4台だけ製作されたスペチアーレで、この個体はベルギー王妃のものだった由。
400i(1979)
こちらはオランダ皇太子妃の愛車だった由。皇族がフェラーリに乗るというのは日本では考えられませんが、かの国の人達は逆に、平成の上皇さま一家の愛車が古いホンダ・インテグラだった(MTというのも渋い)と言われても信じ難いことでしょう。
355GTS(1994)
美しいシフトゲートだった時代です。
Ferrari Four(2011)
通称”FF”ですが前輪駆動ではなく4WD。
何台も所有していると、こういった変わったのも1台欲しくなるんでしょうね。
La Ferrari(2013)
458 Speciale(2014)
ごく少数製作されたスパイダーボディーでダナ・キャランも乗っていた由。
488GTB (2015)
映像”Grazie Enzo”
数十分毎にエンツォの生涯と功績を振り返るショートムービーがスクリーンに放映されます。BGMに流れるパヴァロッティー(モデナ出身)のテノールも相俟って心を動かされる内容でした。
ラウダとの2ショット。
やはり特別な存在のジル・ヴィルヌーヴ。
著作権面でどうなのか分かりませんのでリンクを貼るのは控えますが、Youtubeで「muzeo enzo modena movie」といったキーワードで検索すると館内で撮った映像が出てきます。
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