先々月末のことになりますが、今年の旧正月前半は忠清北道・忠州市の水安堡(スアンボ)温泉に名物の雉料理を食べがてら行ってきました。
ソウルから忠州へ
現地では車で動きたいため今回はレンタカーを利用しますが、旧正月シーズンのソウル周辺の高速道路は大渋滞することと、忠州市にロッテなど大手レンタカー会社の営業所が無いためKTXで五松まで南下して車を借ります。
レンタカーは今回もアバンテ。適度にスポーティさもありながら落ち着いた乗り心地、借りた1.6Lノンハイブリッドでも18.2km/Lと燃費も満足できるものでした。
水周八峰・吊り橋
五松から2時間程走って忠州へ。川が合流するポイントの吊り橋と周囲の景色が良いという水周八峰(수주팔봉/スジュパルボン)を訪れます。
場所は忠州市中心部から10km程南、本日泊まる温泉は更に南にあります。
先ずは吊り橋を渡り川と対岸が一望できる展望台に向かいます。
途切れ途切れの遊歩道と登山道のような道で展望台へ。ずっと登ればムンレ山という400m程度の山へ通じる道でもあります。


展望台に登ります。


これは中々の景色。U字型に曲がる川と村が一望できます。
対岸にはキャンプ場もあり、寒い中を家連族れや若者がテントを張っていました。
弥勒大院址とハヌルジェトレッキングコース
続いては弥勒大院址(미륵대원지/ミルクデウォンジ)という10世紀に造られた石窟寺院址と、そこから延びるトレッキングコースを歩きに行きます。
「하늘재/ハヌルジェ」直訳すると「空峠」へのトレッキングコースに入ります。


途中「キム・ヨナ似の松の木」とあります。何だろう?
私は「なるほど、よく見つけたもんだ」と感心したのですが、家内と義妹は呆れておりました。
ゆるい登りを歩くこと約40分、ハヌルジェに到着。
「空峠」という名前に反し、特に景色が良いわけではありません。布岩山(포암산/ポアムサン・963m)という、このエリアでは人気の山への登山口があるため名付けられたのかも知れません。


概ね元来た道を戻り、そろそろ水安堡温泉に向かいます。
水安堡温泉
泊まったのは開業1989年の「水安堡常緑ホテル」。日本では平成元年ですが外観の通り昭和的な雰囲気が味わい深く、前回来た時に「次はここに泊まろう」と言っていた希望が叶いました。
公務員年金公団が経営母体なので日本のKKRホテル的なものと言えるかも。公団のキャラも温泉に浸かっています。






ロビーに鯉が泳いでいるのも昭和的な味わい。
近年改装されたようで、また、清掃も行き届いており部屋も快適でした。


温泉は他の利用客がいたので写真はホテル公式HPより拝借。宿泊客も利用料8,000ウォンの支払いが必要(一般は12,000ウォン)。
町内の温泉貯蔵タンク。湧出温度は53℃で弱アルカリ性だそう。
詳しいことは分かりませんが、肌に柔らかい感じの湯や、上がってから中々湯冷めしないことなどは温泉ならでは。
名物・キジ料理を味わう
さて、温泉街を歩き、名物のキジ料理を食べに行きます。
足湯とか謎のキャラとか。


この地域は昔からキジの養殖が盛んだそうで、温泉街には多数のキジ料理店が並んでいます。
妙にリアルなキジの模型があちこちに置かれています。
ここ水安堡でキジ料理を食べるのは3回目、今回は「삿갓촌/サッカッチョン」という店に入ります。
結構な人気店で予約するのが無難です。


大半の客が注文するのが35,000ウォン/人のキジ8品コース。
エプロンもキジ。
ビールで喉を潤した後は地元の山参酒という朝鮮人参で風味付けしたやや甘酸っぱい酒も飲みます。アルコール度数13度なので日本酒と似たような酔い加減、キジにもよく合いました。


木耳などもあって山の温泉地らしいパンチャン。醤油ベースのタレには好みで青唐辛子やワサビを入れます。


キジのユッケ。牛ユッケは梨の細切りですがキジは林檎を合わます。


握り寿司と蒸し餃子。キジ尽くしなので以降も全てキジ肉が使われています。


メインその1はブルゴギ。色々使われている山菜も相俟って中々の味。山参酒によく合います。


メインその2はしゃぶしゃぶ。ドーム状に盛られているのでトマトっぽく見えなくもありませんがキジ胸肉の薄切りです。
キジのガラで取った出汁に野菜を入れてスタンバイ。


霜降りにしゃぶしゃぶするも良し、塩ゴマ油をつけて刺身でも食べられるのですが、臭みは全く無く、マグロ刺しにも通じる旨味が深くて実に美味でした。


かなり腹一杯になってきましたが、更に串焼きと手羽肉の唐揚げ。


そしてキジの旨味たっぷりのしゃぶしゃぶ出汁にカルグクスを投入してシメ。




充分満足の味でしたが、前回行った別の店の方が盛り付けなどはぶっきらぼうながら田舎料理的な素朴な味で個人的には好みでした。家内と義妹はこちらの方が好みと言っていましたが。
センスが独特なイルミネーションを見ながら満腹+ほろ酔いでホテルに帰還。
>次編に続きます。