昨年10月に一時帰国した際に箱根登山鉄道の乗り鉄を楽しんだ記録です。
一日乗車券
関東屈指の観光地だけあって色々なタイプのフリー切符がある中、今回の目的は登山電車線だけだったので1,580円のベーシックな1日乗車券で乗り鉄します。
小田原~箱根湯本
小田原駅のドトールでカフェインをチャージし、乗り鉄を開始します。
路線としては小田原からが箱根登山鉄道ですが、箱根湯本までは一般的な小田急の車両が走っています。
途中の入生田駅と風祭駅の間に登山電車の検車区があるため、狭軌1067mmの小田急と標準軌1435mmの登山電車が走れるよう三線軌条の区間があります。
風祭駅から少し歩いたところにある「カフェ107」には退役したモハ1形107が保存されています。
運営会社の鈴廣かまぼことコラボしているスライム。
乗り鉄に戻りましょう。小田急の通勤型車両でも川沿いの勾配(ここで既に40‰=パーミル近くあるそう)を力強く登ってゆきます。
東急の旧渋谷駅にも通じるデザインの箱根湯本駅。
乗客の3割近くが外国人観光客でした。
箱根湯本~塔ノ沢
箱根湯本を出発すると先ず、かつての碓氷峠でも66.7‰を上回る、粘着式鉄道では日本最高の80‰の最急勾配区間を登ります。
↓80‰の標識
約15mの車両一両の前後で高低差は1m以上になる急勾配。
石と煉瓦積みのトンネル壁。
塔ノ沢駅
トンネルを抜けると塔ノ沢駅。
トンネルとトンネルに挟まれた谷間に駅が設けられています。この時途中下車したのが私だけということもあって中々の秘境感を味わえました。
この駅で面白いのがホームから参道が伸びる銭洗弁天という小さな神社。
祠に近付くと自動でランプが灯ってちょっとビビりました。
塔ノ沢~大平台
塔ノ沢から急勾配のトンネルを抜け、高さ43mの早川橋梁を渡ります。
1888年(明治21年)の製造で現存する日本最古の鉄道橋で、元々は東海道本線の天竜川に架けられていたトラス橋の一部を払い下げで転用したものだそう。
橋梁を渡り、ほぼ180度方向が変わる急な左カーブを抜けると出山信号場で1度目のスイッチバックを行います。急カーブの直後に進行方向も変わるので進んでいる方角が良く分からなくなります。
出山信号場。
再び出発すると先程渡った早川橋梁が眼下に見えます。
次の大平台駅。ここで2度目のスイッチバックを行います。
強羅から下ってきた列車。
急勾配を電気から熱エネルギーに変えてブレーキを掛けながら降りてき車両屋根上の抵抗器からはメラメラと陽炎が上がっています。
車両長が15m弱と短くスペースに制限があるため、一部の機器は車内端にレイアウトされています。
>後編に続きます。