フェラーリ本社に隣接するフェラーリ博物館(Museo Ferrari/ムゼオ・フェラーリ)訪問の記録です。アクセスなどは(1)をご参照下さい。
私が訪れた際は、直前に急逝したフィアットCEO、セルジオ・マルキオンネを悼む”GRAZIE SERGIO”のメッセージがサインボードに掲げられていました。
マルキオンネさんの冥福を祈りながら入館。
ピットクルーに扮したりできるフェラーリプリクラ。
順路に従って2階から観覧開始します。
初めに展示されていたのは250GT SWBとモーターサイクル。
展示車両
- 展示車両
- Rudge 500 TT Replica(1934)
- 250GT SWB(1959-1962)
- 340 MM(1953)
- 166 INTER(1948-1950)
- 195 INTER(1950-1951)
- 250GT Coupe(1954-1960)
- 250GT Berlinetta "Tour de France" (1956-1959)
- Dino 246 GT(1969-1973)
- 250GTE 2+2(1960-1963)
- 330GT 2+2(1964-1967)
- 365GT 2+2(1967-1971)
- 412(1985-1991)
- 456GT(1992-2003)
- GTC4 Lusso(2016-)
- 488GTB(2015-)
- ポルトフィーノ(2017-)
- F12 tdf(2016)
- (3)F1マシン編に続く
Rudge 500 TT Replica(1934)
スクーデリア・フェラーリの初期、2輪レースもやっていた時代のもの。
250GT SWB(1959-1962)
水色のボディーにフレンチトリコロールを纏うSWB。均整が取れて張りのあるスタイルが実に魅力的です。
340 MM(1953)
1953年ミッレ・ミリアの優勝マシン。長いノーズに収まるエンジンは4100cc・V12。
ここからは概ね時代に沿って振り返ります。
166 INTER(1948-1950)
フェラーリ初のレース用ではないロードモデル。黄色いエンブレムと格子のグリルというフェラーリの「文法」が既に確立されています。
166 x 12=1992cc(の筈)エンジン。
インパネの写真を見返していて気付いたのですが、左下に写っている逆三角形のものは...
拡大すると”Clayton” ”AIR CONDITIONING & DEMISTING UNIT”の文字が見えます。アメリカ車でさえカーエアコンの普及は'50~'60年代なので後付けと思われますが、この時代のフェラーリに上手く付けたものだと感心。
195 INTER(1950-1951)
フロントガラスが二分割から一体物になるなど、166とは2年の違いでも着実に進化しています。
ボディーカラーに合わせて塗り分けられたインパネ。
250GT Coupe(1954-1960)
ご存知の通り冒頭のSWBは”Short Wheel Base”の略でホイールベースは2400mm。それに対し当時スタンダードモデルだったこの250GTは2600mm。因みに、AE86レビンのW/Bが丁度2400mmでした。
250GT Berlinetta "Tour de France" (1956-1959)
当時アメリカで流行したテールフィンを取り入れたものでしょうか。流石はピニンファリーナ、凛々しく纏まっています。
Dino 246 GT(1969-1973)
昨年登場したV6+PHVフェラーリの名前が「ディーノ」になるかも?との噂がありましたが結局296GTBになりましたね。
曲線とシャープなエッジの融合。フィオラバンティ時代のピニンファリーナ+フェラーリは黄金時代だったと感じます。
観覧順ではこの後はF1でしたが、ロードカー編を続けます。
250GTE 2+2(1960-1963)
「一応4人乗れる」というのは、長年フェラーリが取り組んできたもののイマイチ大きな成功には至らないカテゴリー。個人的には好きなモデルも多いのですが。
端正で上品なスタイリングが多い気がします。
330GT 2+2(1964-1967)
2+2モデルはイタリアンレッドが少ないですね。
まさにGTの文法通りのインパネ。
365GT 2+2(1967-1971)
フロントのデザインはジャガー・Eタイプの影響を受けたものでしょうか。
カセットプレーヤーが8トラック「ハチトラ」というのも味わい深いポイント。
何とも微笑ましい光景です。
412(1985-1991)
これ、個人的に大好きなんですよね。写真で見るとぱっとしないかも知れませんが実車は70年代らしい直線的なグラフィックと微妙な曲面、台形のキャビン。それから...(語りだすと長くなるのでここまでにしておきます)
源流となる365GT4 2+2は今から半世紀前、1972年のデビュー。
456GT(1992-2003)
「新車時から既に壊れている」とも言われる問題作ですが、頽廃的で妖しい雰囲気が魅力的な456GT。
この展示車はMTですが4ATもありました。フェラーリ専用のAT、しかもリア置きトランスアクスル。壊れる予感しかしません。
デイトナなテイストのリア。
GTC4 Lusso(2016-)
写真で見ると変だけど実物は意外にもスタイリッシュ、と言いたいところですが... やはり微妙でした。
真正面はイケメンなのですが。
488GTB(2015-)
立て続けにヒストリックモデルなどを見た後だと感覚が麻痺し、現行の488GTBを見ても「あ、そうですか」としか感じなくなってきます。
ポルトフィーノ(2017-)
F12 tdf(2016)
799台限定のスペチアーレ。商売上手なフェラーリであります。
中国をはじめとする新興国市場でウケそうな派手でエグくて分かりやすく、少々ガキっぽい意匠が散見された近年のフェラーリでしたが、最新のローマや296GTBを見ると軌道修正しつつあるのかなと感じます。