設計や生産ラインなど、企業ミュージアムならではの興味深い展示もありました。
現在のフラッグシップ”812 Super Fast”。
個人的には、ちょっと優雅さに欠けて感心しません。
6.5リッターV12エンジンは自然吸気で800ps/8000rpm。この排気量でこの回転数はさすがフェラーリ。
鋳造されたエンジンブロック。
812のホワイトボディー。古くからアルミ材を多用してきたフェラーリなので加工ノウハウは色々と持っていることでしょう。
プレスや押し出し材や鋳造、鍛造などを溶接、接着してボディを組み立てています。
基本的に工場見学は購入したディストリビューターを通じて申請したオーナーだけが可能で、こちらはパネル展示されていた写真。イタリアらしからず”5S”が行き届いている印象というと失礼かな。
1960年代。高い足場のようなところが最終ASSYだったようです。色々「やらせ」っぽい写真にも感じますが。
今のASSY工程。
1959年。チューブラーフレームをお兄ちゃんが溶接しています。
BBなので’70年代の模様でしょうか。
1952年のエンジン加工工場。
黒の結晶塗装が凛々しいデイトナのV12エンジン。
設計部門。勿論製図板の時代です。手前で打ち合わせしているのがいかにもPR用に撮りましたという雰囲気。
1948年、166MMのデザイン検討用モデル。
ピニンファリーナによる'60年代後半のデザイン検討モデル。
微妙な曲面が美しい365P(1966)のボディー木型。こういうのは家具職人などが兼業で作っていたんでしょうか。
750 Monzaのホワイトボディ。
ハンマーや治具を駆使して叩き出して形状をつくり...
仕上げるとこうなります。
ピニンファリーナとスカリエッティ、二人のセルジオさん。
後ろに写っているのは250 ルッソですな。
エリック・クラプトンのオーダーで製作された”SP12 EC”のモックアップ。
フェラーリ自身の作だけあって512BBを上手くオマージュしています。
お客様は神様。内装のステッチの色をはじめ、顧客のオーダーにも対応してくれます。
往年のカタログ。
昔の書類なども実に興味深い。手前のものはロンドンの代理店が1964年11月3日付で発行した500スーパーファストの注文書で、ハンドル位置(当然右)や内外装のカラー、オプションなどが列記されています。希望納期は翌年の10月でした。
エンツォ・フェラーリという人は、レースやエンジニアリングなどの業績や評価が色々ありますが、結果的には”Ferrari”というブランドイメージを作った部分が最も偉大な人ではないでしょうか。時にはハッタリ的に実際以上に神格化させたりした部分も含めて。
でっかい灰皿が時代を感じさせます。
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