家族でロンドンという貴重な機会なので有名高級レストランでも食事を楽しみました。訪れたのはルールズ/Rulesとシンプソンズ/Simpsons in the Strand。地球の歩き方のロンドンレストランページでもトップに紹介されている2店であります。
どちらも公式サイトから予約して行きました。
ルールズ/Rules
1798年にオープンしたロンドン最古のレストラン。場所はコヴェントガーデンという洒落た店が集まるエリア。シンプソンズも同じエリアにあります。
タクシーで着くと霧雨の中にイルミネーションが輝いていました。
誇らし気な”LONDON'S OLDEST RESTAURANT”の文字。
1998年に”Bicentenary”=200周年を祝ったロゴも輝いています。
予約時間より早めでしたが外は寒いので入店します。
すると、「よろしければ2階のバーでお待ちになりますか?」 とのことで、先ずは軽く飲むことにします。私が飲んだのは柑橘類の皮のフレーバーが効いたリキュール。この時点で既に、丁重だけどフレンドリーで洗練されたサービスと重厚な雰囲気に少々圧倒されていました。
バーで待ちますかと聞いてくれた時に"We have a lovery waiting bar."と言っていた通り重厚トラディッショナルで居心地の良い空間で、席が準備できてレストランのテーブルに移る際にはもう少しここで飲んでいたい気分でした。
テーブルに着きシャンパンで乾杯。
カミサンが選んだアペタイザーは牡蠣。ワタの小さいヨーロッパの牡蠣は独特の美味さがあります。
私が選んだのは、ほぐされた蟹の身に蟹味噌のペーストが添えられた蟹のレモンマヨネーズ仕立て。失礼ながらイギリスでこんな繊細な味に出会うとは思いませんでした。蟹ミソとレモンマヨネーズのバランスが絶妙で素晴らしく旨い、イギリス版の香箱蟹。
娘が選んだのは鹿肉のパテ。ややクセのある風味で酒が進みます。
美しく盛られたパン。やるじゃんイギリス。
こちらはパテに添えられていたライ麦のトースト。
メインはローストビーフ。メニューには”for two”とありますが850gもあるので3人でシェアしても十分過ぎるほどのボリューム。焼き加減は娘の希望でレアです。
グレービーソースとホースラディッシュ。
とろけるような日本の霜降り肉とは違ってある程度噛み応えがあり(カタいという訳ではなく)肉の旨味をしっかり味わえます。添えられているヨークシャプディンはでかいパイ生地のような味と食感。ま、これは”Good experience”という感想でした。
何気なく出てきたポテトグラタンは少しニンニクの風味が効いて妙に後を引く美味さ。帰国後家内が似たような感じで作ってくれて今は我が家定番メニューの一つになっています。
ここまで食べると満腹。デザートまで行き着きませんでした。
インテリアを見るのも楽しい。
ひびの入った古いガラスがそのまま保存されています。RULE'Sの下に"TURTLE SOUP"とあるので後日調べてみたところ、19世紀頃に亀のスープが流行ったことがあった由。
シンプソンズ/Simpsons in the Strand
1828年オープンなのでこちらも超老舗です。5つ星ホテル、サヴォイのすぐ横にあり経営もサヴォイ傘下にあります。
ホームズ博物館を訪れた日に訪れました。このレストランはシャーロック・ホームズ事件簿の「高名な依頼人」というストーリーに登場するそうなのでホームズな一日でした。
入店してコートをクロークに預けます。
ピアノの生演奏が流れ、まさにイギリス上流階級といった雰囲気に気分も華やぎます。
シャンパンでも、と思ってワインリストを見ると"English sparkling wine"なるものがあったので試してみます。イングランド産のスパークリングワインで、シャンパンに比べると華やかさや爽やかさは控えめながらコクのある風味。個性的で美味でした。
貝類好きのカミサン所望でアペタイザーはムール貝のワイン蒸しにします。牡蠣もそうですが、ヨーロッパで食べるムール貝も実に旨い。
そして、ローストビーフがトロリーでサーブされます。
28日間ドライエージングしたスコットランド産のビーフは美しいピンク色のレア加減。
いかんいかんと思いながら脂身まで美味しく完食。
付け合わせのローストポテトと温野菜は見た目以上でも以下でもなく、まあこんなものでしょうという味。
ウズラのローストも食べてみましたが、クセはそれほど無いものの旨味もそれなり、これは正直イマイチでした。
ここでも満腹になってデザートまで辿り着きませんでした。
腹ごなしも兼ねて周辺を少し歩き、地下鉄でホテルに戻りました。
最後に
両店共に雰囲気、飲み物、料理、全て満喫しました。店自体が古き良きイギリスを体験する博物館のようでもあり、また良い意味で観光客慣れした接客なので意外と肩肘張らず楽しめます。
服装は正装やネクタイ着用の必要はありませんが男性ならジャケットぐらいは着て行った方が無難です(Smart Casual推奨)。因みに、この後2016年に娘と二人でロンドンを訪れた際はあの雰囲気を味わいたくてルールズを再訪しました。
シンプソンズは、肉の美味さが印象的でしたが盛り付けには比較的無頓着でぶっきらぼうだったのでその面では期待外れな部分はありました。しかし、公式サイトや最近の訪問記を見ているとメニューにかなりテコ入れしたようなので、機会があれば改めて行ってみたいと思います。
最後に勘定の話を。
<ルールズ>
合計190.91ポンド=カード会社の請求は28,708円≒約9,600円/人。バーで飲んだりアペタイザーをシェアせず各人がオーダーしたりしたのでリーズナブルだと思います。
<シンプソンズ>
合計119.70ポンド=カード会社の請求は17,840円≒約6千円/人。こちらも老舗店であのクオリティーのローストビーフを食べたにしては安いとさえ感じます。
※金額、レートは2009年12月時点のもの。チップは別です。