韓国でチャイナタウンと言えば、港町の仁川や釜山が横浜や神戸に相当する古くからの中華街ですが、日本と同様、近年やってきた”中華系ニューカマー”が集まる街がソウルにもあります。恐らく一番知られているのが永登浦区の大林(대림/デリム)という街で、拙宅がある新道林からは地下鉄で一駅の場所です。先日、このエリアの「ガチ中華屋」でザリガニ料理を食べてきました。
ハングルと簡体中国語が混在する駅前のストリート。
四川式ザリガニ料理「麻辣小龍蝦」
中国でマクドナルドやKFCの店舗数を抜くほどブームになったというザリガニ料理店。私は以前、イギリスでザリガニの身を挟んだサンドイッチを食べたことがあって変な味ではないのは知っていましたが、中華での味が如何なのか興味津々であります。
訪れたのは「화룽 마라룽샤/ファルン・マーラールンシャ」という店。漢字は「花隆 麻辣龍蝦 」でしょうか。夏なのに窓にクリスマスのステッカーを貼ったままというのが大陸的であります。
意外と小綺麗な店内。韓国系の店よりずっと綺麗だな。
メニュー
「小龙虾/小龍蝦」がザリガニの中国語ですな。
他にも火鍋やナマズの麻辣、炒め物などもあります。
ザリガニを食す
前置きが長くなりました。麻辣ザリガニです。33,000ウォン也。
ぎょっとするほど真っ赤なザリガニが赤黒い麻辣ソースというか油の海に泳いでいます。
なるほど、子供の頃釣って遊んだザリガニだ。
使い捨てのビニール手袋をはめて頭をばきっと折り、殻を剥きます。身が小ぶりなので沢山剥いても手間の割には中々食べた気にならないのが難点。家内と二人、黙々と剥きながら食べます。
肝心の味は、唐辛子だけでなく山椒がガッツリ効いていることもあって泥臭さは無し、身の味は海老よりも蟹に近い感じで魚介らしい仄かな甘味もあります。辛さも相俟ってビールがどんどん進みます。
因みに頭には味噌もあってこれまた旨いことは旨いのですが量は少なめ、何匹が食べると面倒臭くなって身に専念しました。
ある程度食べたところで麺を投入。色が黄色っぽいのはトウモロコシ麺のようです。
この麺、麻辣ソースと和えると絶品でした。
ザリガニだけだと単調なので胡瓜とチャーシューを和えた冷菜、そしてピータン豆腐も同時に注文。悪くない組み合わせでした。
再訪して麻辣海老を食べる
娘も一度食べてみたいというので2週間後に家族3人で再訪。ザリガニの写真を見て怯んだのか、この日は無難に海老の麻辣を食べることにします。
う~ん、これも悪くないのですがザリガニほどではないかな。ザリガニのソースには遠慮無く唐辛子がゴロゴロ入っていたのに対しこちらは控え目(それでも充分辛いですが)。それからジャンクな旨味もザリガニが勝っていた気が...。ザリガニ自体からも旨味が出ていたのかも知れません。
この日も麺を投入。
こちらは羊とネギの炒め物。美味でした。
そしてピータン豆腐。掛かっている醤油と黒酢とピーナッツオイルのソースが絶品です。
何だかんだと鱈腹食べました。腹ごなしに道林川と2号線沿いを一駅歩いて帰宅。夥しい汗をかいたひと時でした。
余談... 大林は危ない街なのか?
この大林洞は、中国マフィア vs 韓国ヤクザ vs 警察の抗争を描いたその名も「犯罪都市」という映画の舞台になった加里峰洞が近いこともあり、こちらの人に「ソウルで治安の悪い場所は?」と尋ねるとよく名前が挙がります。
まあ確かに、お世辞にもガラの良い街とは言えませんが、特に不気味な界隈がある訳でもなく「危険」という程ではありません。私が知る中だと1号線の永登浦(영등포/ヨンドゥンポ)駅西側辺りのドヤ街っぽいエリアの方が個人的にはずっと不気味です。