日々動きがある北朝鮮情勢から目が離せない今日この頃、4月27日の南北首脳会談では金正恩委員長が板門店までやってきて驚きでした。私は板門店は2度訪れたことがあり、自分も行ったことがある場所に「北の最高指導者」が現れる様子を当日TVの生中継で見ていると不思議な気分でした。今回は私が板門店に訪れた際の模様と先日の首脳会談も織り交ぜながら記します。
板門店に行くには?
厳しく統制されている軍事境界エリアなので当然個人では行けません。ツアーに参加する必要があります。私は1997年2月も今回もKTB(大韓旅行社)のツアーに参加しました。
注意事項など
KTBのサイトにもありますので詳細は割愛しますが...
- みすぼらしく見える服を着ていると北側での宣伝材料にされるらしく、ぼろいジーンズや短パン、サンダルはNG。
- 望遠レンズはNGで、レンズの焦点距離は90mmまでとされています。私は一眼レフではなくニコンV3に10-100mm高倍率ズームを付けて持って行きました。35mmに換算すると27-270mmという望遠も可能なレンズですが小柄なカメラなので特にチェックは受けませんでした。
- パスポート必携です。ツアー受付時と途中の検問でチェックされます。
- 北と相対する厳戒態勢のJSAでは手を振ったり指さしたりといった行動は厳禁です。ガイドの指示に従って常識的に行動している限り大丈夫ですがJSAでのブリーフィング時に「(射殺されたりとか)何があっても文句は言いません」といった趣旨の宣誓書にサインさせられます。
ソウルからバスで北上
板門店はソウルから約50km、北朝鮮の開城(ケソン)市から約10kmに位置します。
以下、ツアーで巡った順序で記します。
第3トンネル
北から韓国側へ侵攻するために掘られた秘密トンネルの一つ。ヘルメットを被ってトロッコで地底に降り、更に奥まで歩いて見学します。撮影禁止だったので内部の写真はありません。
トンネルの高さが低くて頭をぶつけまくり、腰を屈めて歩くのはキツかった。有事の際、このトンネルから送り込むことができる兵士の数は1時間に1万人とも3万人とも言われているようですが、武装した状態でそんな迅速な行動ができるのか、俄かに信じ難い狭さでした。
南北統一を願うオブジェ。
内側の出っ張りと窪みが韓国と北朝鮮の形になっています。
資料館にて。
北朝鮮軍のソ連製小銃。
南北間紛争の歴史。
大韓航空機爆破事件の実行犯、金賢姫さん。今は韓国で暮らしています。
都羅山
都羅山展望台にて。
向こう側が北朝鮮です。双眼鏡で見るのはOKですが床に黄色い線が引かれており、その先は撮影NGになっていました。北との緊張が緩い時期は撮影可能な時もあるようです。
この写真は'97年にここで撮ったもの。霞んでいて見辛いですが左に立っているのは北朝鮮の国旗を掲げる巨大な塔(高さ160m)です。
都羅山駅にて。
この駅が現時点では韓国側の北端で、線路は一応北朝鮮側に伸びています。
北朝鮮へ続く線路。
平壌方面という表示はありますが勿論平壌行きの列車はありません。
将来はユーラシア大陸横断路線に...という願いの路線図。
ソウルからここまでの区間にDMZトレインという観光列車が運行されています。
昼食のブルゴギ
田舎道沿いのしょぼい食堂だったので全然期待せずに食べたら激ウマ。
一緒に行ったうちの娘、その後ソウルでプルゴギを食べる度に「あのプルゴギの方が美味しかった」と言ってます。
食堂の庭で飼われていた人懐っこい子犬。
臨津閣と自由の橋
昼食後に訪れたのは臨津閣。資料館と公園があります。先程の都羅山から一つ南の駅です。
自由の橋。右側の橋脚は朝鮮戦争の際に破壊された古い橋の遺構。
尚、この橋の向こうがすぐ北朝鮮という訳ではありません。
「鉄馬は走りたい」との言葉が書かれています。
何でもユルキャラにする韓国。
ヘルメットの"헌병"というハングルは憲兵という意味。
軍事警戒線のフェンスと監視小屋。
何故かこんなところに遊園地があったりもします。
その片隅に展示されているファントム。
朝鮮半島の形をしたプール。右側の小さいバスタブのような2つは鬱陵島と竹島のつもりでしょう。
朝鮮戦争時に破壊された蒸気機関車。
機関車に残る弾痕。
朝鮮戦争時代の戦闘機や戦車。
この次はツアーのメインである板門店・JSAに向かいます。