韓国に来て驚いたことの一つが病院に葬儀場が併設されていることです。先日、予防接種を受けに行った東大門の国立病院にも葬儀場があったのでちょっと覗いてみました。
予防接種を終えて外に出ると、有りますな。葬儀場が。
特に患者から見えないところにあるわけでもなく、장례식장＝葬礼式場と大きく書いています。
折角なので（？）中に入ってみました。特に暗かったり厳かな雰囲気でもなくごく普通の待合室です。奥にはコンビニがあります。
各階の案内。
全て漢字由来語なのですが、主だったものを訳すると...
- 분향실＝焚香室･･･参列者が祭壇に線香を上げるたり焼香する部屋
- 접객실＝接客室･･･参列者を食事でもてなす部屋
- 영결식장＝永訣式場･･･霊柩車に棺を載せ見送る場所
- 참관실＝参観室･･･不明です。
- 염습실＝殮襲室･･･遺体を清めて衣を着せる部屋
- 화원＝花園･･･花屋
何となく分かるようなものもありますが、韓国で葬儀に参列したことが無く、また、勉強を兼ねて辞書を引いても良く分らないものもありました。
葬礼用品店。喪服等だけでなく...
花輪も各種取り揃えています。近年の韓国、日常生活では漢字は殆ど使いませんが格式ばった場面（結婚式等）では漢字も混ぜて使います。
1階の隅にはATMもあります。この方は香典金を引き出しているのでしょうか。
壁のモニターは各種祭壇や供物が紹介していました。
右側は「自然葬」の広告。
「子孫に墓の代わりに美しい公園を贈ってあげてください」と書いています。小さく書かれているのは「自然葬は火葬後、草花、芝生、木の下に埋めて葬儀を執り行う葬礼方法です」との説明です。
カミサンの談によると、最近は火葬も増えつつあるものの土葬習慣も残っており墓地不足が問題になっているそうです。興味があったのでNAVERで検索したところ、2013年のものですが「韓国の火葬率は74%、20年前に比べ4倍に増加」という記事が有りました。
この日はカジュアルな服を着ていたので葬儀場内を余りウロウロするのは憚られます。1階だけざっと見て建物を出ました。
ひょとして火葬施設？と一瞬ぎょっとしましたが酸素貯蔵室と作業場でした。流石に火葬は別の場所で行うようです。
まあ、人は皆いつかは死ぬ訳で、また、日本人は死に関することを不吉視する傾向がやや強いようにも感じますが、病気や怪我から人命を救う病院に"死"に直結する葬儀場が併設する韓国式は流石に抵抗感を覚えます。
ただ、私が出張で何度も訪れた米オハイオ州の地方都市では毎年独立記念日の祝賀パレードの出発地点が市内の中心近くにある芝生が綺麗な墓地だったりしました。当たり前ですが文化圏毎に価値感は異なるものですね。
