久々に海外アクロバットチームのポスティング、今回はスペイン空軍のパトルーラ・アギラです。
パトルーラ・アギラ/Patrulla Aguilaについて
CASA C-101というスペイン国産ジェット練習機7機で編成され、パイロットは専従ではなく空軍大学の教官による兼務。”Aguila”=アギラとはスペイン語で「鷲」のことで、調べてみたらラテン語の”Aquila”がスペイン語は”Aguila”に、英語は”Eagle”になったそうで、言語って面白いですね。
このカラーリング、何と言うか、ガッチャマン時代のアニメ的な独特のセンス。ダリ、ピカソ、ガウディを輩出した芸術の国とは思えないのが残念。
アギラの演技について...RIAT2018での感想
- 演技構成は、前半は全機揃って各種フォーメーションをループなどを交えながら披露、その後ブレイクしてクロスやソロ機のロールなどに移るヨーロピアンスタイルの定石通り。
- C-101という機体はお世辞にも高性能とは言えずスピード感には欠ける。レッドアローズを0.7倍速程度で見ているような感じ。
- アナウンスがラテン的なハイテンション。スペイン語訛りで"Fantastic spectacular!!"というフレーズを連発して盛り上げようとしてくれるの良いが、ずっとハイテンションなのは逆効果。途中からは少々興醒めした。
- 個人的には、マイナスGで360度ループする課目には感心した。
- 演技最後の着陸が見もので、7機一斉にランディングするのは凄い。
RIATでのアギラ
後ろの2機が先にエアボーンしながら5機+2機が同時に離陸。
サングリアとパエリア、もとい、スペイン国旗カラーのスモークを曳きながら離陸。
離陸直後、7機揃っての宙返り。
隊形の正確さは流石は教官殿。
ヨーロピアンの定石通り、前半は全機での編隊飛行で構成されます。
スモークは白と黄色か赤の2種類。1~3番機は黄色、4~7番機が赤。レッドアローズのように赤と青を切り替えたりする機能は無いようです。
ループからブレイク。
全機揃っての演技はここで一区切り。ここからは4+2+1での演技に移ります。
ブレイク後に上昇したソロ機が一旦ほぼ静止し、「くるん」と転回して下降、というか落下。同じラテン系のイタリアのフレッチェ・トリコローリも同様の演技をしますが、プロペラ機ならともかく、ジェット機でこの機動は凄い。
クロス2連発。先ずは1対1。
続いて2対2!
流石はヨーロピアン。ほぼ間を空けずに次の課目が続きます。
スペインはハートを左上から下へ射抜きます。我らがブルーは左下から上ですね。
アブレストの正確さからも技量の高さが伺えます。
ループしてから4機で下向きにブレーク。
それをソロ機が下から貫きます。
背面飛行でスモークがプスプス途切れるのはご愛嬌。
背面&背面でロールしながらパス。前の6番機を基準に後方の7番機はロールしているのだと思いますが、ロールのタイミングが見事に揃っていました。
スロ~ロ~ル。非力な直線翼機なのでこういった科目こそ十八番。
間隔を空けた4機のロール。優雅な演技です。
個人的に最も感心した演技がこれ。背面飛行で宙返りします。
マイナスGのまま上昇。ループの頂点で切り返すのかと思いきや...
結局ずっとマイナスGのまま360度ループ。これ、Pさんは頭に血流が登りっぱなしでは?いずれにしても、珍しいものを見せてもらいました。
3対3でのクロスではスモークを直前でカラーに切り替えていました。
折角のカラースモーク、何故ここで使わない?
ボントンロールやるのかなと思ったら「よっこいしょ」と2機が反転。
ブルーの4シップインバーテッドにも通じる科目でした。
ラストはカラースモークで国旗を描きながらの大団円。
そして7機が一斉に着陸。
私の席からタッチダウンの瞬間は撮れませんでしたが、Wikipediaにも『なかでも最大の見せ場は7機による編隊着陸』と記述されるスペイン名物であります。
お疲れ様でした!グラシアス!
スピード感は若干物足りないものの、ユニークな演技や難易度の高そうな科目を見せてくれるハイレベルなチームでありました。