P sign

ソウル在住の日本人が旅行,飛行機,くるま,鉄道,韓国生活について書いております。

【ドイツ】メルセデス・ベンツ博物館/Mercedes-Benz Museum訪問記(2)バス・トラック,世界最速のキャリアカー”ブルーワンダー”

上階から下へ降りてゆく順路のメルセデス・ベンツ博物館、今回は7階から5階の展示を振り返ります。ここではバスやトラック、緊急用車両などの事業用が中心でした。世界最速のキャリアカー、300SLRを運んだ”ブルーワンダー”が個人的にはツボでした。

旅のギャラリー(7階)

”Gallery of Voyagers”と称する展示エリア。長距離バスだけでなく市バスや乗用車もあるので「人を運ぶ」ことがテーマになっているようです。

16/45 PS Mercedes-Knight Tourer(1921)

LO 1112 Omnibus(1969)... ブエノスアイレスの乗り合いバス

バスの中で印象的だったのがこのバス。アルゼンチンでは当時こうしたデコレーションを施すのが一般的だったそう。


”LICENCIA DAIMLER-BENZ”のプラック。ブエノスアイレス工場製です。


純正品でしょうか?ナンバープレートの枠も誇らしげなスリーポインテッドスター入り。

Milnes-Daimler 2階建てロンドンバス(1904)

O 2600 Touring Coach(1935-1940)

O3500 Touring Coach(1952)

イタリアで観光バスとして使われていたもので、ルーフの端がパノラミックウィンドウになっています。

O305市内バス(1980)

地元シュツットガルトの市バスだったもの。

Mercedes-Benz 320 Stromlinien-Limousine(1939)

市バスの隣に展示されていた流麗なリムジーネ。流線型の先駆者クライスラー・エアフローの登場が1934年なので、これもその影響を受けた一台ですね。

Mercedes-Benz 12/55 PS Pullman-Limousine(1926)

年代が前後しますが、ダイムラーとベンツが合併し「メルセデス・ベンツ」ブランド名で発売された初めてのモデル。

300SEL 6.3

300SELのボディーに600リムジン用6.3LのV8を詰め込んだアウトバーン超特急。450SEL 6.9が直接の後継車ですが、後年の500EやC55 AMGなど、メルセデスはこの路線がお好きですね。

エンブレムを見ないとそれと気付かないのが渋い。

300TD

過激な300SEL 6.3の横に佇むのはトランクにレジャーグッズを載せた癒し系ワゴン。

ところで、TDってTurbo Dieselの頭文字だと思い込んでいましたが、Tは”Tourism and Transport”なのだそう。確かにガソリン仕様はNAでも300TEだったりしました。


ステアリングやメーターの進化。

輸送用車(6階)

パンフレットでは”Gallery of Carriers”となっているエリアには主にトラック系が展示されています。

High-speed Transporter ”ブルーワンダー”(1955)

スポーツカー選手権出場車を運ぶためにワンオフで作られたキャリアカー。エンジンはガルウィング300SLの直6直噴(215PS)を流用、最高速は170km/hに達したという世界最速のトランポ。まあ、ここまでの高性能が必要な訳ではなく遊び心も多分にあったものと思います。


載せられている300SLRも超貴重です。

オリジナルは1967年に廃車されましたが、展示車は当時の技術資料を基にメルセデスがレプリカを再製作したものです。

300SLRのノーズがジャストフィットしています。

ベンツ 3トントラック(1912)

プロペラシャフトや空気入りタイヤは当時一般的ではなく、チェーンドライブとソリッドゴムタイヤが使われています。

O 10000 ”移動郵便局”(1937-1941)

展示車はオーストリア郵政公社の小包トラックだったもので、ザルツブルク音楽祭のよなイベントでは仮設郵便局として使われた由。

側面には窓口、車内には国鉄時代の郵便車のような仕分け棚もありました。

L 6500 platform truck(1935-1940)

これもボンネットが長いですね。エンジンは12,500cc直6

LP333(1958-1961)

前2軸の外観から「ムカデ」の愛称で呼ばれたとのこと。なるほど。

L406 パネルバン(1965-1968)

上のムカデトラックもそうですが、ちょっと困ったようなファニーな表情が素敵です。

1624 Autotransporter(1980)

シュツットガルト郊外、ジンデルフィンゲン工場製のSクラスや280CEが載せられています。


LP1513 タンクローリー(1967-1976)

人を助けるメルセデス(5階)

英語では”Gallery of Helpers”と題したエリア。消防・救急車から除雪車も展示されていました。


消防車

1912年と1950年のはしご車。因みにドイツの救急・消防の電話番号は112番、警察は日本と同じ110番だそうです。

救急車
ウニモグの除雪車
ゴミ収集車
パトカーとF1のメディカルカー

Cクラスのワゴンってこういった用途でも使い勝手が良いんでしょうね。

以上、事業用のメルセデスを中心に振り返ってみました。


(3)に続きます。次回は300SLRなど1950年代~1970年代のメルセデスです。


にほんブログ村 旅行ブログ 海外旅行へ
にほんブログ村