見たものをひたすら振り返るメルセデスミュージアム訪問記、今回は「著名人のメルセデス」がテーマの展示です。正面に鎮座するワインレッドのSLは故ダイアナ妃の愛車。日本人には昭和天皇のグロッサー・メルセデスが見所です。
セレブリティのメルセデス(4階)
昭和天皇のグロッサーメルセデス
太平洋戦争を挟む1935~1968年の長きに亘って御料車として使用された770プルマンリムジン。
戦後、北海道行幸時の写真。
菊の御紋は門外不出なので展示用は花弁を一つ減らしているのだそう。
防弾構造で4トンを超える車重に対応するため、タイヤは横浜ゴムの特製品が装着されています。
因みに、天皇御料車の隣に展示されていたのは最後のドイツ皇帝、ヴィルヘルム2世の愛車だったカブリオレ。
ダイアナ妃の500SL
故ダイアナ妃のプライベートーカーだった500SL。英国のプリンセスが外国車に乗るとは怪しからんと批判を浴びて1年足らずで手放した由。その前まではジャガーXJ-Sに乗られていたそうで、自国にも高級車メーカーがあるイギリス王室メンバーとして非難されるのも仕方ないですね。
ローマ法王のGクラス
ダイアナ号の隣は1980年、ヨハネ・パウロ2世のドイツ訪問を機に製作されたパレード用車両で、ベースは230G。
当然ながらエアコンは強化されています。
ニコラス・ケイジの190E 2.3
ハリウッドスターらしからぬ渋いチョイス。
サッカー・ドイツ代表チームのバス
西ドイツで開催された1974年大会にメルセデスは移動バスを提供。優勝は地元西ドイツだったんですね。
アデナウアー首相の300リムジーネ
宇宙飛行士の190SL
アポロ9号と15号の宇宙飛行士David Randolph Scottさんの愛車。1959年に購入し2004年まで所有されていたものでレストアされていないオリジナルコンディション。まさに”愛車”ですね。
特別展示(3階)
このエリアの統一テーマはよく分かりませんでしたが、ポルシェ博士設計でVWビートルに似た130や霊柩車などの興味深い展示でした。
130H(1934)
フェルディナント・ポルシェ博士が在籍中に基本設計を行ったRR小型車。VWタイプ1ビートルによく似ていますがエンジンはフラット4ではなくサイドバルブ直4。
200D 霊柩車
イタリアで使われていた200Dベースの霊柩車。
完成度の高い改装作業はPilatoというイタリアのカロッツェリアで改造されたもので、今も霊柩車やリムジンの製作で盛業のようです。
220S Cabriolet
200D(W110)
200D(W123)
これも味わい深い一台。2代目3代目Eクラスの丸目ライトはこれをモチーフにしたっぽいですね。
L307
その他、以下のような展示もありました。
車名やダイムラークライスラー時代のエンブレムなど。
ジャニス・ジョプリンのアカペラ曲”Mercedes Benz”や日本のイナバ物置のテレカが泣かせます。
次回はモータースポーツ編です。