ウクライナ情勢が緊張の度合いを増しています。同国空軍の装備は皮肉にもと言うか当然ながらと言うか、ソ連崩壊時に引き継いだロシア機が多く、その中には運動神経抜群のSu-27フランカーも含まれます。
ウクライナのSu-27は毎年7月にイギリスで開かれる世界最大級の軍用機エアショーRoyal International Air Tatoo(通称”RIAT”、”エアタトゥー”とも)に2017~2019年に掛けて参加し豪快なデモフライトを披露、ショーに詰めかけた航空ヲタク ファンの人気を集めていました(恐らく人気No.1)。
以下、2018年のRIATで撮影したウクライナ空軍のSu-27です。
大柄な機体をものともせず離陸後すぐに宙返り。
F-15より全長で約2m、全幅は1.5m以上大きい巨体が背面飛行を維持しながらパス。ファインダー越しに見ていると恐怖感すら覚えます。
フライ・バイ・ワイヤ制御と大推力のお陰もあって、空中で静止したりテールスライドしたりしながら、ほぼずっと観客席の前から姿を消すことなく飛行を続けます。凄まじい機動性。
エンジンノズルの間のブーム部分にチャフ/フレアディスペンサーが見えます。
バレルロールの回転半径も大型機とは思えない小ささ。まさに樽の内面を旋回しているかのようでした。
東側機はジェット排気の黒煙が濃い。見ていて楽しいですが、なるべく排気が見えないようにするのもステルス能力の一つではあります。
脚を降ろしながらでもバーナーをバリバリ焚いてぐいぐいロールします。
横から見ると合理的なフォルム・レイアウトであることが分かります。レードーム太いですね。
エアインテイク下面がルーバー(開閉式?)になっています。類似フォルムのMig-29は荒れた滑走路での異物吸い込み対策で機体上面に開閉式ルーバーが備えられていますがこれも同様の機構なのかも知れません。
戦闘機の能力が飛行性能だけではないことを重々承知の上ですが、少なくとも低速低空ではF-15を大きく上回る機動性を目の当たりにしました。気合の入ったフライトを見せてくれたウクライナ空軍のPさん、お疲れ様でした!