ソウルエアショーの華、韓国空軍ブラックイーグルスのアクロバット飛行です。
私が初めてソウルエアショーを訪れたのは2009年。使用機種をこの年T-50に切り替えたばかりのブラックイーグルス(以下"B/E"と略)、その初陣はよりによってアジアツアーで極東にも来ていたアメリカ空軍・サンダーバーズとの共演。誰の目にも実力差は歴然としていたものでした。しかしその後メキメキとレベルアップしたB/Eは今回も見応十分のフライトを見せてくれました。
離陸
観客が集まって”密”になるのを避けるためか、今回はランウェイ反対側からの発進。ウォークダウンも見られませんでした。
よく見ると垂直尾翼右側にPOP体のようなフォントで”힘내라! 대한민국!”≒「頑張ろう!大韓民国!」のメッセージが入っています。
アフターバーナーを焚きながら続々と離陸。
通常は3+3+2の離陸だったと思いますが今回は1機ずつでした。
前半の編隊飛行
8機が観客の上をパスして演技開始。
上昇しながら隊形を組み替えます。この辺はヨーロピアンスタイル。
ところで、理由は不明ですが今回カラースモークは使いませんでした。
2019年、カラースモークを効果的に使いこなしていたB/E。
序盤は色々な隊形を見せながら8機での演技が続きます。
今回B/Eは金曜日の午後、土曜日は午前午後、計3回飛びましたが機材トラブルのため土曜日午前は7機でのフライトでした(予備機は使用せず)。
で、マイナス1機でどうなるのかと思いましたがそれなりに纏めていたのは感心しました。
序盤のハイライト、レインフォール。
ボントンロールもしっかりキメて、ここからはダイナミックなアメリカンスタイル的演技に移ります。
ダイナミックな中盤の演技
サンダーバーズやブルエンジェルスばりの密集パス。
クロスも近い。
この科目好きです。
トレイルから観客方向に進入し、一気にブレイクします。
描きモノ系
定番のキューピッド。
そしてB/Eオリジナルの描きモノ。韓国の国旗、太極旗を青空に描きます。愛国心が強い韓国人なので観客席は熱狂の渦...にはならず意外と冷静。普通に楽しく盛り上がっていました。
スニークパス
優雅に降下する5機に見とれていると...
背後から忍び寄る5番機。
観客頭上をアフターバーナーをバリバリ轟かせながら全開でスニークパス!
これ、サンダーバーズもやりますね。何度も見ていると「あ、来るな」と分かりますが、これは一杯食わされるのが一番楽しい。
終盤の演技
メリハリの効いた構成が続きます。
4機が一気にクロスするこの科目...
カラースモークだった前回は凄いことになっていました。
ブルーのサンライズに近い科目。B/Eではビクトリーブレイクと呼びます。
そろそろ終わりという雰囲気になってきました。全機揃ってご来場の皆様にご挨拶...
...ではなく、上昇してループ。
ラストの大技、下向き開花。
ここで渦巻き状にひねりを入れます。このひねりは今回初めて見ました。
最後に
今回はカラースモークを使わなくなった一方で、ラストのブレイクにひねりを加えたりと毎年のように何か変えてくるのも楽しいブラックイーグルス。思いついたことは取り敢えずやってみるという韓国らしさを(良くも悪くも)ここにも見た気がします。