前回の記事で触れたアメリカのI-75(インターステート・州間高速道路75号線)でケンタッキー州を南へ進み、テネシー州に向かって山岳地帯に差し掛かると道沿いに”KFC Birthplace”というサインが見えます。ん?とインター(Exit 29)を出て少し走ると、やはりそこはハーランド ”カーネル” サンダースがKFCを創業した場所でした。
今やグローバル企業になったKFCが創業されたのがここ。当時の建物が博物館兼レストランとして公開されています。
KFC創業の地
場所はケンタッキー州南部のCorbin/コービンという小さな町。アパラチア山脈の麓でテネシー州との境から40キロ程の位置にあります。
I-75の山越え区間。
旧街道らしき道を数分走ると見慣れたカーネルおじさんのサインが見えてきます。
KFC 第1号店
ちょっと寂れた街道沿いにあります。元々この道が幹線道路だったのですが前述のI-75が開通して通行量が激減。そこでサンダースが考えたのがフライドチキンのレシピや商標権を売るというビジネスモデルでした。
ファストフードが好きそうなご夫婦。
カーネル・サンダース博物館
正式名は”Harland Sanders Cafe and Museum”。サンダースの本名はハーランドで、カーネル(Colonel)とはケンタッキー州から贈られた名誉称号です。日本KFCのサイトに紹介コーナーがありますのでリンクを貼っておきます。
www.kfc.co.jp
店内の様子。カウンターはごく普通で特別メニューなどもありませんでした。
イートインコーナーは一応それらしい雰囲気。
フライドチキンを味わう
フランチャイズなので当然ながら味は普通。ラーメン界だと天下一品の北白川や三田の二郎のような本店は一味違うといった話もありますが、いつものKFCフライドチキンでした。
アメリカ仕様のコールスローは甘味が強め、マッシュポテトはクレイビーソースがちょっと人工的な風味。ただ、アメリカのKFCは日本に比べて油がややギトギト気味に感じるのですがここはカラッと揚がっている気もしました(気のせい?)
ミュージアム展示内容
腹ごしらえを終えてミュージアムになっている店内を見て回ります。
昔のキッチン。
サンダースのオフィス?
左の時計は揚げ時間を計るタイマー。右はフライ用の圧力釜。
現代のアメリカでは見掛けることのないタバコの自動販売機。
フランチャイズ権を売り歩く時に使っていたものでしょうか。カーネルおじさんの写真入り名刺。
ハロウィンのマスク。1969年のものだそうで、この時点で既に カーネルおじさんはKFCのアイコンという認知度を確立していたのでしょう。
1940年にこの場所を描いたポストカード。
当時を再現したジオラマ。モーテルを兼業していたそうです。
モーテルの部屋を再現した展示。あ、アメリカのモーテルは日本と違って家族連れも泊まる健全な宿です。
読むと中々面白いレリーフ。ポイントを箇条書きにしてみました。
- 1890年に生まれたサンダースは、家族を支えるために12歳で学校を辞め、その後1930年にこの地に来てガソリンスタンドを開業した。
- その時までに農夫、兵士、鉄道員、事務員、保険のセールスマン、フェリーの運行員など数々の仕事を渡り歩いた。
- サンダースが得意だった料理が評判になってレストランも開業。その後モーテルも開業したりして事業拡大を続けた。
- '50年代にここコービンを通らないフリーウェイの建設が決まりジリ貧になることを悟ったサンダースが、評判が良かったフライドチキンのレシピを全米で売り歩いた結果フランチャイズ網を築いた。
この道中にハイウェイで見掛けたフォード・ギャラクシー。当時の人達はこんな車に乗ってKFCを利用していたのでしょう。
余談
博物館としても賑わっていましたが地元の人が普通に利用する店舗としても現役で、ドライブスルーもありました。
現在のKFC本社はここコービンではないものの、同じケンタッキー州のルイビルにあります。