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【パリ】オルリー空港の博物館”Musée Delta”にコンコルド保存機を見に行く|ヨーロッパ家族旅行2025(7)

20機製造された超音速旅客機コンコルドは18機が現存しています。拙者、各地の博物館を巡る内に見ていない機体は残すところあとはこの1機のみになっており、今回のヨーロッパ旅行の機会にフランスに立ち寄って見てきました。

<前回編>

Musée Delta / デルタ博物館

名前の通りデルタ翼をテーマにしていてコンコルド以外にはミラージュも展示しています。オルリー空港に隣接しているもののターミナルの反対側なのでトラム7号線で行きます。


トラムからも見えるので迷うことはありあせん。


プレハブのような事務所で入場料5ユーロを払います。


開館は水曜日と土曜日の14時~18時のみ。地元有志がボランティア的に運営しているようです。

コンコルド 先行量産型2号機

レジはF-WTSAで製造番号は102で4番目に作られた機体。1973年1月10日に初飛行し各種試験に供され、1976年5月20日にトゥールーズからオルリーへ最終飛行した後は解体する話もあった中で有志の尽力によってここに保存されています。


機体右舷はブリティッシュエア、左側は当時のエールフランス塗装になっています。運用時も途中からこの塗装だったそう。






現役時には轟音と炎と吹き出していたノズル。スラストリバーサーが付いています。





かなりコンディションが荒れた時期もあったようですがノーズは可動状態までレストアされています。


五輪開催に合わせて開港したモントリオールの新空港に祝賀飛来したことがあり、当時の五輪マークが入っています。


さて、英語を話すガイドのおじいちゃんの案内で機内に入ります。





クラシックジャンボと同世代ということで機関士席のあるコクピット。



ずらりと並ぶ計器とスイッチ類、素晴らしい。


後ろにはジャンプシートが備えられています。


アナログの計器と夥しいスイッチが並びます。


部品取りにされていた時期もあり、ここまで荒れた状態だったものをこつこつと修復した由。保存団体の皆さんの愛情に頭が下がります。



操縦桿左側が速度計で下側が亜音速でのノット表示、上がマッハ計かと思います。


続いてキャビンを案内してもらいます。



運用時は計測機器やエアラインへ提案用のシートなどが配置されていた区画。



コクピット前部左側の窓ガラス。


プロトタイプのためエアコンの吹き出し口やスイッチ類は検討用のモックアップでした。


名物のマッハ計。


アラスカで耐寒試験中の写真。説明には-42℃とあります。


キャビン後部は当時モノのシートが取り付けられています。広さはプレエコ程度といったところ。


オリジナルのシートが中々揃わないので他機(エアバス?)のシートも並べているのだと笑いながら説明してくれました。


葉書程度の大きさの窓。


一部の窓に何やら貼られているので目を凝らして見ると...

空力加熱による温度上昇を測定するステッカーでした。


音速飛行時は機体先端で120℃、胴体も90℃程度に温度が上昇することによる膨張で全長が約20cm伸びます。こちらはその影響でコクピットのパネル隙間が広がる様子。

ダッソー・ミラージュ III

デルタ翼機がテーマでフランスなのでミラージュも3機展示されています。

Dassault Mirage III E

ミラージュIIIの戦闘攻撃機型。

Dassault Mirage III B-RV

複座なので練習機型でしょうか。

Dassault Mirage III RD

これは偵察機型ですね。


その他展示

最後に建屋内を見せてもらいます。



オイルショック前に一応コンコルドを発注していたJAL塗装の模型。博物館のおばちゃんが「あんた日本人でしょ。これ見ていきなさい」といった感じで案内してくれました。これは大阪・弁天町にあった交通科学館でも見たことがあります。

Payen Pa 100

1930年代にフランスで作られたデルタ+カナード翼の試作機。


最後に

展示機のコンディションは今一つながら、ヒコーキ愛溢れる有志に支えられた愛すべき博物館です。また、各地でコンコルドを見てきましたが、特にコクピットをここまで間近に見ることができて有意義な訪問でした。

尚、これまで見てきたコンコルド現存機についてはそのうち記事を書こうと思っています。

>次編に続きます。

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