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ソウル在住の日本人が旅行,飛行機,くるま,鉄道,韓国生活について書いております。

ミノルタα-7000の中古完動品をソウルで購入

ミノルタのα-7000を買ってしまいました。ソニーでなく"MINOLTA"のα-7000(ハイフン入ります)です。このαは私が中学生の頃、亡き父が発売直後に購入した「世界初の”まともに”使えるAF」一眼レフカメラで、私が初めて触れた一眼レフカメラでした。

α-7000の想い出

1985年発売のカメラですので今や40年前のクラシックカメラ。当時「αショック」と言われたほどの人気で当初は入手困難だった中、父は伝手を駆使して入手したと言っていた記憶があります。


1985年の夏休みに北陸へドライブ旅行に行った際、それまでまともに一眼レフに触れたことが無かった私でもα-7000のAFのお陰で水族館のイルカショーのジャンプなどを撮ることができて嬉しかったことを覚えています。こちらは当時の父の愛車。これもαで撮ったものと思います。

「こいつ、動くぞ」...ソウル風物市場にて

そんな想い出のあるαにソウル風物市場で遭遇。α-7000の中古と言えばジャンク品の山に積まれグリップは加水分解でボロボロ、電池室は液漏れでぐちゃぐちゃといったコンディションが相場ですが、ソウルで出会った個体は液晶に漏れがあるものの露出計もまあ正常に作動しシャッターも大丈夫そう。

店主の言い値は10万ウォン(≒1万円)。一応交渉してみたものの「これ、レンズはSONYのデジタルでも使えるからそこそこ人気があるんですよ」と意外に強気。まあ、ここソウルで日本人がα-7000に出逢ったのも何かの縁と購入してしまいました。

α-7000の使い方

α-7000購入前に父が使っていたのは操作系はダイヤル式、メーターは指針式のキヤノンAE-1。それに対しα-7000の表示は液晶デジタル、操作系も全てボタン式。更にシャッターボタンは指で触れるだけでスリープからスタンバイ状態になるなど、当時は「未来のカメラがやってきた」でした。シャッターボタンを半押しするとAFが駆動するのは今や当たり前ですがこれも斬新でした。


露出補正、ISO設定、撮影モード、DRIVE(シングル、連写、セルフタイマー)の切り替えは左側のボタンで行います。これらのボタンを押しながらシャッター側の青い▽△ボタンを押して操作します。ISOはフィルムのDXコードを読み取ってくれるので通常は触れる必要はありません。露出補正は+/-0.5刻みで最大4.0EVまでの補正が可能です。


電源はスライド式スイッチ。真ん中のONだと電子音は鳴らないという気遣いもあります。また、A、S、Mに設定中でも上の"P"のボタンを押すとプログラムに戻るなど、操作系は今触れても良く練られた設計と感じます。

液晶に漏れがあるのは古いα-7000では避けられない持病なので諦めます。

液晶表示

MODEボタンを押しながら△▽を押すと撮影モードが切り替わります。

"PROGRAM"のスペルを活用した表示。


左側にも▽△ボタンがあり、A、Sモードではこちら側でも操作できます。Mモードではシャッター側の▽△ボタンはシャッター速度を、レンズ側▽△では絞り値を設定します。絞りリングを廃した代わりにレンズマウント横のボタンで絞りをコントロールするという考え方でしょう。

ファインダー内

スマホを押し付けて撮ったので写りが悪いですが、ファインダー内はこんな感じ。AFポイントは勿論中央の1点のみ。

コンディション

フィルム室は綺麗で、シャッターにグリスの滲みなどもありません。モルトも弾力があって生きています。


ファインダーのイルミネーターもしっかり点灯します。


電池室は綺麗に掃除されているものの、やはり液漏れしたことがあったようで接点のバネには水色の結晶が少し付着しています。


注意書きは英語と日本語。


ミノルタのストラップをサービスで付けて貰いましたがα-7000の純正では無いと思います。

元祖αレンズ・35-105mm f3.5-4.5

当時の価格は62,000円だったようです。うちの父が使っていたのはこれではなく28-85mm f3.5-4.5でした。このレンズ、ずっしりしていて作りも良く、実物は中々の高級感でミノルタの気合を感じます。フィルター径は財布にやさしい55mm。簡易マクロは一昔前のズームレンズに良く有った機能です。


うちに来た個体は傷もなくズームリングのゴムもまずまず綺麗。レンズ内にカビや曇りもありません。


ミノルタが満を持して世に出したαマウント。

ニコンF-501と並べてみる

15年程前に南大門の中古カメラ屋で購入したF-501と並べてみました。


思い切ってαマウントに切り替えたミノルタと伝統のFマウントを堅持したニコン。マウント径は、ミノルタαは50mm、ニコンFは44mm。


フィルム巻き戻しは手巻きだったり操作系がダイヤル式だったりするF-501。これはこれで好きですが、発売当時、F-501は少々古臭く見えたことでしょう。


カクカクした80年代的なデザインから写真ではプラスッチッキーな安っぽさを感じるかも知れませんが、改めてα-7000実機を手にすると当時ミノルタが社運を賭けて世に出しただけあって「良い物感」があります。発売当時のボディー定価は88,000円でした。

その後

ボディーもレンズも完動品で、40年前のタイムカプセルと考えればリーズナブルで楽しい買い物でした。時々防湿ケースから出してジージーとAFを動かしながら遊んでいます。

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