結局日没後の22時までフライトが行われたグルーノーブルエアショー、日が沈むタイミングで現れたのはブライトリング・ジェットチームの6機。民間チームという言い訳などは不要、各国空軍のアクロバットチームに遜色無いフライトを夕暮れのアルプスをバックに披露してくれました。
Breigtling Jet Teamについて
ブライトリングがApache Aviationというフランスの民間アクロバットチームの専属スポンサーになって運用されていましたが2019年を以て契約は終了。但しブライトリングとの関係は残り、共同スポンサーを募集中の模様。2013年のアジアツアー(YouTube公式映像)では日本にも飛来し、福島や神戸で飛んだのでご覧になった方もいらっしゃると思います。
使用機体
チェコのアエロ・L-39 アルバトロス練習機/攻撃機。3千機近く生産された優秀な機体であります。チェコは東欧の工業先進国で、下の写真はプラハ郊外のチェコ空軍博物館で撮影したものです。旧ソ連機とは一味違う垢抜けた造形が印象的でした。
パイロット
やはりフランス空軍出身のパイロットが多く、パトルイユ・ド・フランスの元メンバーもいます。リーダーのジャック・ボツラン氏は「空軍のパイロットになれなかったので自らチーム立ち上げた」そうで、空軍パイロットよりもある意味凄い。
グルノーブルでのブライトリング・ジェットチーム
20半過ぎに現れた6機のL-39。夏のフランスでもこの時間になると日は山の向こうに隠れ、フライトは夕焼けの空で行われました。
本来7機編成の筈ですがこの時は6機でのフライト(アナウンスがフランス語のみということもあって理由は不明)。
山側に回り込んで一気に上昇してループ。
演技構成は典型的なヨーロピアンスタイル。前半は全機揃って隊形を変えながらの編隊飛行が続きます。
カツカツにまでは間隔を詰めずに隊形美を見せるのがヨーロピアン。
6機編成でも5+1機に分かれたりと、間延び感を与えない構成の工夫があります。
空軍チーム顔負けの近いクロス。
時刻は21時前、撮影条件は厳しさを増します。
細かいことですが、機体の姿勢が変わってもスモークがプスプスと途切れないことにも感心しました。
こういった光景は日没を挟んだトワイライト条件ならでは。
大技を見せた4機が去るタイミングで前方から2機が進入。
4+2機に分かれてからの繋がりの良さも素晴らしい。
2機に見とれていたら前方からの4機が一気に上昇するのに気付かず撮り逃し...
山の陰はどっぷり日没。
そろそろ大団円のようです。
そしてパカーンと散開。
ラストは見事にタイミングを合わせてフレアを撒きます。
最後に
せっかく晴天に恵まれたグルノーブルだったので昼間に見たかった気もしますが、日没前後の条件でジェット機のアクロバットを見るという貴重な機会でありました。