先日日本の実家から食料品などを送ってもらった際に古いコンデジも同梱してもらいました。機種は2010年11月発売のキヤノンのパワーショット S95。当時ヒットした1/1.7型CCDセンサー搭載の(CMOSではありません)当時としては高級コンデジであります。
キヤノンのサイトでは既に”ミュージアム”入りしております(笑)
これ、元々私がサブカメラとして購入したものを実家の母に貸したら気に入ったので譲ったものですが、母も最近はスマホしか使わなくなり、ここ数年は持っていることすら忘れられていました。
2011年のS95
このS95を持ってアメリカ出張に行ったこともありました。
当時ニコンD7000をメインに使っていたのですが条件によっては遜色無い写りに感心したものです。
未だスマホカメラの写りに不満が多かった当時、写りも良く強力な手振れ補正もあながらコンパクトなS95は重宝しました。
CLUB ANA時代の機内食。
改めてS95を使ってみる
さて、10年経って改めて使おうとすると...
電源は問題無く入ったものの「尿液晶」って言うんですかね、液晶モニター左が黄ばんでいます...
10年前の購入直後はこんな感じでした。
イメージセンサーの問題ならアウトですが試写してみたところ問題無さそう。
こいつ、使えるぞ。
蘇ったバッテリー
驚いたことにバッテリーは生きていました。数年振りに電源ONにしたところモニター上は満タン表示、しかしすぐに表示は1/3に。そこで充電器にセットしたもののチャージランプは数秒点灯後に消灯。
ヤケクソで再びカメラにセットして完全にバッテリー切れになるまでシャッターを切った上で再度チャージしてみたら約1時間後に緑ランプ点灯。その後は置きっぱなしでも異常に放電すること無く使えています。
iPhone Xと比べてみると
拙者、スマホには無頓着な方でiPhone Xを3年以上使っています。そのXと遊び半分で比べてみました。因みに、センサーサイズが全てではないことを承知の上で書くとアイフォンは広角側:1/2.9型、望遠側:1/3.6型のようです。
S95の50mm相当。手持ちで適当に撮ったので構図などは適当です。
こちらはiPhone Xの×2(52mm相当)。
HDRが掛かっているのも影響しているのか色はこってりした印象。
居酒屋にて。まずはS95です。
こちらはiPhone X。角度がずれているのでアレですが、明るい部分の粘りや立体感はS95に軍配が上がる気がします。
今敢えてS95も使う理由
旅行などには一眼を持って行くので日常の記録+αならiPhoneで十分。それでも最近S95を通勤カバンに入れています。その理由を考えてみると...
理由1: RAW記録できる
昨今、上級スマホだとRAW記録可能なようですが。
色調整の自由度はもちろん、明るさについても、JPEG補正無しだとこうなる場面でも...
RAWから明るさとハイライト、シャドーを少しいじるだけでその場の雰囲気に無理なく補正できました。まあ、撮るときに露出補正すれば良いって話ですが、ぱっと撮って後から調整したい状況では救われることもあります。
理由2:コントロールリングが楽しい
レンズ外周のコントロールリングをズームレンズの焦点距離に設定して撮ると楽しいのであります。
私、ソニーRX100M6も深く満足しながら使っているのですがこの機能は最高です。好みにもよりますが、キヤノンはダイヤルにクリック感があることと、電源を一旦OFFにしても直前の焦点距離に戻るもの私の好みです。
理由3:画角が自由自在
85mm相当で撮影。
ちょっと望遠の圧縮効果を出したい時にコントロールリングでサクッと設定できるのが小気味良い。一応ズームレバーを使えば中間域も使えます。
こちらは広角端28mm相当。
最後に
スマホ連携ができないことなどを除くと、発売11年後の今使ってもストレスを感じません。実に完成度の高いカメラであります。勿論、今のスマホの方が勝る部分も多いでしょうがコンデジと言えどやはりカメラはカメラ、物理ダイヤルやボタンを操りながら撮る楽しみがあります。一方、古いデジタルガジェットでも楽しく使える世代はこの辺が限界かも知れません。
遠からず寿命が来るかも知れませんが、暫くは通勤鞄に入れて気が向いたときに使います。10年前のデジカメながら、オールドカメラを愛でるような気分もちょっとあります。
余談
EMSなどの国際宅配便でのリチウムイオンバッテリー送付には制約があります。容量が大きくないものはカメラなど機器本体に入れた状態であれば概ね送れますが、バッテリー単体や容量の大きいものはしっかり確認することをお勧めします。