大田で今回の乗り鉄の目的の一つであるセマウル号に乗り換える。大田16:40発→ソウル18:40着。2時間の乗車はセマウル号を楽しむのには丁度良い時間だ。
大田駅にて。兵役中の若者が手にする赤い紙袋は彼女へのプレゼントだろうか?
京釜在来線(大田~ソウル)
日本に例えるなら浜松~品川区間の在来線といったところだろうか。
大田駅
中規模の地方駅らしい雰囲気の大田(テジョン)駅。高層ビルは韓国鉄道公社の本社。
大田駅構内にて。鉄道は石油輸送の重要な手段になっているようで今回もあちこちでタンク貨車を見掛けた。
PP式ディーゼル気動車時代のセマウル号
目当てのセマウル号が入線してきた。
大田を出発すると左側に西大田からのKTX軌道が見える。
出発後30分程すると日が傾いてきた。
分かり辛いが、向こうには高架上を疾走するKTXが見える。
今回この区間の乗車では、高速鉄道がありながら在来線特急に乗るのは独特のスローライフ的な楽しみがあると感じた。 日本の場合、東海道新幹線開業後は在来線の「こだま」や「つばめ」などは全廃されてしまったのが残念だ。
窓にカメラを押し付けて撮った一枚。 右側に少し窓枠が写り込んでしまったが、今回撮った中では気に入っているショットである。
ビュッフェ車両
この辺りでビュッフェ車両に行ってみる。売店では飲み物やインスタントラーメン、沿線の土産物などを売っていた。 絨毯や天井の模様が'70年代風でいい味を出している。
折角の広いスペースは持て余し気味のように見受けられた。
ゲームコーナーと、その奥にはIT先進国らしく(?)パソコンコーナーがある。
カラオケ室もある。
洗面所にはハンドドライヤーや液体石鹸があったりしてムグンファ号よりは豪華にしようと努力はしているようだ。
セマウル号普通車の客室内。標準軌で元々車幅に余裕があるのでゆったりしている。
水原(スウォン)駅
東海道線と京浜東北線のように、水原の手前からはセマウル号などの長距離列車が走る本線に駅数の多い近郊線が並走する。
手前のホームは長距離線、奥は通勤電車のホーム。長距離線のホームが低くなっていることがお分かり頂けるだろう。
18時を過ぎるとかなり日が傾いてきた。韓国は日本と同じタイムゾーンではあるが日本よりも西に位置しているので(ソウルの経度は那覇に近い)日が長く感じる。
ソウル近郊区間に入り、近郊電車を次々に追い抜きながら疾走する。
何故か車内モニターには韓国空軍のアクロバットチーム、ブラックイーグルスの画像が映されていた。
時刻は18時半を回り、ほぼ日が落ちた。セマウル号はソウル駅の少し手前にある永登浦(ヨンドゥンポ)駅(ソウルを東京とすれば品川あたりのロケーション)にも停まる。我々は永登浦の方が便利なのでそろそろ下車することにする。
永登浦(ヨンドゥンポ)駅で下車
記念にサボと窓の写真を撮る。楕円形の窓が魅力的だ。
ディーゼルエンジンの轟音を響かせながら終着駅のソウルに向けて走り去ってゆくセマウル号。
永登浦駅のコンコース。
晩飯は最近気に入っているジョン(一口サイズのチヂミ)の店で一杯やる。
早朝から列車に乗りっぱなしだったのでビールが殊更うまい。ただ、韓国ビールは薄くて絶望的にコクが無いのが難点。この日もビールで喉を潤したあとはマッコリに切り替えた。
最後に
写真に簡単なコメントを付けた程度だが、以上が2011年GW・韓国鉄の旅報告である。 高速鉄道や地方幹線、ローカル色溢れる区間などを乗ることができたことや、色々な車両に乗ることができて有意義だった。
近年韓国では公共事業に多額の投資をしており、今回は古き良き鉄道風景が失われている場面を各地で目撃した。改めて韓国鉄道の路線図を見ると、地方の支線には古い風景が残っているところもまだまだ残っていそうなので、早めに乗りに行かねばという意を強くしているところである。
最後にお金の話。 今回のチケット代は二人合計で約25万ウォン、一人当たりを円に直すと約1万円程だった。日本でこれだけ優等列車に乗れば2~3万円は掛かると思う。その是非は別として、国が政策的に国費を投入しているということだろう。
2021年4月追記
10年前のオレ、鉄ライターか宮脇俊三さん気取りで書いたんだな... と、恥ずかしくも懐かしく読みながら、少しリライトして再掲しました(汗)。