以前のエントリーで書いた通り高倍率ズームが好きな私、現在使っているのは昨年11月に新品購入したAF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-6.3G ED VR。その18-300mmに片ボケ(?)らしき不具合があって修理した顛末について記します。
この時は東京でレンズを購入後に九州へ移動。ちょっと観光もしながらD500との組み合わせで使って韓国に戻りました。
羽田と九州で試し撮り
東京から北九州に移動する際、先ずは羽田の展望デッキで飛行機を撮ってみました。天気が良かったので深く考えず、以下の3枚は絞り優先f/11で撮ったものです。
270mm
300mm
300mm
270mm・f/9
この日ホテルに着いて安物のノートPCでざっと画像を見たところ、f/11で撮ったものは回析の影響か晴天だった割には今一つカリッと撮れなかったものの、f/9だと中々の写りかなと感じました。
また、九州ではワイド端18mm~精々50mm程度しか使わず、倍率16.7の高倍率レンズでこのぐらい写れば御の字と満足していました。
30mm・f/6.3で撮った看板。文字を拡大して見ても特に妙なムラは感じません。
3カ月後、仁川空港で異常に気付く
この冬は矢鱈と寒かったこともあってその後は殆ど使わず防湿庫に仕舞い込んでいました。そんな中、2月に仁川空港に行く用事のついでにちょっと飛行機を撮ってみたところ、単に私の腕の悪さでは説明不能の変なショットが散見されました。
以下、全て絞り優先、f/9固定で撮ったものです。縮小しているので分かり辛いですが、モニターで全画面表示すると全体的にピリッとしないだけでなく、機首周辺の部分は一応ピントは合っているのに尾翼周辺は何だかぼやっとしています。
上の写真から拡大。
もう一枚。
異常を確信したのはこのショット。流し撮りを狙った訳ではなく、タキシングする777を撮ったもの。テレ端300mm・1/1000sec. f/9。
"KOREAN AIR"ロゴの、"KOREAN AIR"が滲んでいて、特に"AIR"は水平方向にブレというか滲みというか、とにかく変です。また、コクピット窓周辺の写りの方がマシなように見えるのも不思議です。
ただ、全ておかしかった訳ではなく、こんな感じで一応まともに写っているものもあったりもしました。210mm・1/1250sec. f/9。
ニコンS/Sに確認と修理を依頼
片ボケの確認は壁に新聞紙など、文字の細かいものを貼って解像度合いを観察するのが常道のようですが、直後に日本に行く予定があったので素直にニコンのS/Sに預けることにしました。訪れたのは新宿のニコンS/S。症状を伝えると共に、異常を感じた画像データを10枚ほど入れたSDカードも預けました。
スタッフの対応はとても親身で、私が海外から一時帰国中でこの後大阪の実家に行くこと、遅くとも3月15日迄には受け取りたい旨を伝えると修理部門に念押しした上で3月13日までに修理完了し発送できることを確認してくれました(預けたのは3月3日)。結果、予定より早く修理完了し、3月8日発送、9日着の宅配便で実家に届きました。ニコンS/Sの方に感謝です。
修理完了
修理済み品に添えられていた納品書によると、解像度不具合とAF不具合の為「調整」したとあります。
交換部品の欄は空欄。部品交換はせず調整だけで直ったのかな。保証期間内なので当然費用負担はありません。
日本を出る際に関空で試し撮り。約200mmで絞り優先・f/9。
テレ端300mm
以下4枚は後日、仁川空港の展望台で撮ったもの。高倍率レンズのテレ端でこれだけ写れば私は十分満足です。
約50mm
300mm
300mm
最後の1枚は陽炎でメラメラしていますが画像全体の解像感にムラは感じません。
結局何が問題だったのか?
このレンズ、ズーミングすると全長が倍近く伸びます。従って鏡筒の精度が当然重要でその辺りに問題があったかなと推測しますがよく分かりません。それからはやり、以前使っていた18-200mm f/3.5-5.6より18-300mmはかなり安っぽくてコストダウン感があるのも事実であります。
また、購入直後は顕著な問題は感じなかったのに何故3カ月後にこの症状が急に現れたのかも謎です。元々から組み付けに問題があった個体で、それをズーミングしたりしながら使っていたある時点に(2月の仁川空港?)、一気に顕在化したのかも知れません。
教訓
写りに疑問が有ったら100%確信が無くても、先ずは画像データを添えてS/Sで診て貰うべきですね(勿論、何でもかんでもクレーマー的に捻じ込むのは論外ですが)。
また、クルマでよく言われることで、工業製品には経年劣化による不具合だけでなく初期不良もあります。カメラもレンズも、購入したら保証期間内になるべく多用して「バグ出し」すべきものだと実感した次第。